水のないところ=空気のあるところ。UFBの泡の数と長期安定性

cold dew rain wet
Photo by Jason Walters on Pexels.com

ウルトラファインバブル(UFB)って、お聞きになったことはおありでしょうか。

私がシンバイオシスのお仕事を始めた三年前、ウルトラファインバブル(UFB)というのは「移植する菌たちを守ってくれて、患者さんの腸内という暗闇のトンネルの中で道筋を示してくれる人たち」という存在でした。

ごくごく飲んでみたり、
お肌に塗ってみたり、
プラントの建設&維持費を知って恐ろしくてごくごく飲めなくなったり、
そんなよくわからないけどそばにいる存在でした。

ウルトラファインバブル(UFB)というのは、業界全体としてなんとなく精密さに欠ける感じが漂っています。
だから、大型の装置を使ってじゃぶじゃぶ使うような産業分野でしか実用化されていません。

でもそれは誰のせいでもないんです。

ナノ(1ミリの100万分の1)とかピコ(さらにその1000分の1)の世界で、そこに実際にどんなものがどれくらい存在するかを測定するなんて、そう簡単にできるものじゃありません。

計測はいつも発明に遅れる。
それは技術的な話ではなく、費用対効果の話です。

需要のない測定装置を作ろうなんてメーカーは、そうそうありません。
たとえ技術的には完成していようと。

見えない泡は、測れない泡だった

smiling ethnic woman with big mirror in nature

ウルトラファインバブル(UFB)は泡である。
水の中の水のないところと考えてしまうと、とらえどころがなくて測定できないように思えてしまう。

でも、水の中に溶け込んでいる粒子だと考えれば、測定する方法はあるんじゃないか?
そう、たとえば血液の中の赤血球を測るみたいに。

そう考えた我々は、粒子を測定する粒度分布計をあたってみることにしました。

粒度分布の方法には、大きく分けて3つあります。

  • 動的散乱法(DLS)
  • レーザー回折散乱光
  • コールター法

このうち、1と2は若干似ています。1)動的光散乱法による粒子径評価

どちらも光を用いて、粒子数を測定します。

測定下限が0.6nm、10nmと小さいため、我々も最初はこのどちらかの測定法を受託で行ってくれる企業を探して何件か依頼してみました。

結果は思わしくなく、出すたびに違う結果が返ってくるわ、水道水と有意差なしと出てしまうわ、自信を失い続ける期間が何ヶ月か続きました。

ついにうちのUFBを測れる人が現れた

ベックマン・コールター社のことは知っていました、もちろん。
粒子測定では世界標準ですし。
フローサイトメトリーの発明者が創業者やし。

でもなんとなく敷居が高い感じがして(どんなイメージやねん)、
受託測定もしてらっしゃらなくて、
あとなんでか知らんけど他社さんのUFBの測定には、ベックマン・コールター社さんの装置はあんまり登場してなかったので、なんとなく問合せずじまいでした。

それで受託測定をしている会社さんをあたっていっていたんですが、成すすべがなくなってベックマン・コールター社さんに電話したというわけです。
買うお金もないくせに。
購入を検討しているんです〜とかなんとか言うて。悪いやつやで。(ここで書くことにより罪悪感を軽減しようとしている)

それで大阪の営業マンである米田さんが、サンプルを測定してみてくださることになりました。
やっぱり顔がかわいいと得やわ。(しどろもどろに電話しただけや。顔一切見せてないわ)

コールター法とは

photo of clear glass measuring cup lot
Photo by Rodolfo Clix on Pexels.com

結果的に、もともと選択肢として入れていなかったコールター法で測定するMultisizer4eという装置で、バブルを可視化していただくことができました。

液体中の粒子を測定する方法にフローサイトメトリーというのがあるんですが、コールター原理はフローサイトメトリーの世界で最初の方法。
詳しくはコールター原理(1954~1955)や、こちらの動画を見ていただければと思います。

実はシンバイオシスとしてすぐにコールター法を検討しなかったのには、大きな理由があります。
それは、測定可能値の最下限が200nmであること。

数nm、ひいてはピコメートル単位をターゲットにしてバブル発生をさせている弊所としては、下限値が大きすぎたわけです。

なので10nm程度でも測定できるというレーザー回折なんかの方法を検討していたんですが、この方法は粒子のブラウン運動をキャッチするため、粒子の大きさに幅があるウルトラファインバブル(UFB)などのサンプルには向かないらしい。2)3. レーザ回折・散乱粒子径分布測定法の弱点 - レーザ回折・散乱法粒子径分布測定装置の進化 – Beckman Coulter
さらに、mlあたりの個数管理にはコールター法が適切とのこと。

このあたりを詳しく書いてしまうと、ファインバブル業界全体の闇を晒してしまうことになるので割愛します。
別にわたし一人の命くらいなら差し出すけど。

加えてありがたいことに、グラフの分布や何年か前のサンプルとの比較により、間接的により小さなバブルも理論的には存在すると推測できることがわかりました。(この結論に至るまでに、一体何回サンプル測定させんねんという。米田さん、本当にすみません。ありがとうございます。)

サンプル測定結果

Multisizer4eでは、サンプルを電解液で希釈して、電気を通して粒子数を測定します。
穴を通る粒子の数を数えるんですが、50万個を過ぎると機械が止まってしまうそう。

米田さんがこれまで測定されてきた他社さんのウルトラファインバブル(UFB)の傾向から、電解液100mlとサンプル100mlであれば十分測定できるだろうと予測されていたそうです。
それでも数万個しか粒子は通らないと。

結果、
(今から自慢します! 自慢します!!)
弊所のウルトラファインバブル(UFB)は、一瞬で50万個を突破してしまって、10倍に希釈しないとまともに測れなかったそうです。

これが何を意味するかというと、
液体中のバブル濃度がめちゃくちゃ高い(=バブル数が多い)ということなんだそうです。
他社さんのウルトラファインバブル(UFB)もたくさん測って来られた方の言葉は、本当に勇気づけられました。

加えて、10年前のサンプルでも同様の分布を示していました。
これは、バブルが安定して長く存在していることを示しています。
「ウルトラファインバブル(UFB)って長くても数ヶ月くらいで消えるんですけどね。マジで10年前のサンプルなんですか」という米田さんの驚いた顔に、弊所一同うるうる。

詳細な測定結果は「私たちのUFB技術」で紹介しています。

まだまだわからないことだらけ

woman riding big swing in front of waterfalls
Photo by Artem Beliaikin on Pexels.com

ウルトラファインバブル(UFB)の製造現場のすぐ近くにいるわたしですが、彼らの底力は全然まだわかっていません。
顕微鏡で見てもバブルが見えるわけではないし、
粒度分布計のデータも氷山の一角のように思える。

でもわかる。
「この子ら、すごい」

人類が自分たちの生活レベルを下げる方向に向かえない悲しい動物なのだとしたら、もしかしたらウルトラファインバブル(UFB)たちが地球と人類の仲を取り持ってくれるんじゃないかとさえ思います。

何ができるのかも、
どれくらいの大きさの泡がどれだけ含まれているのかも、
どんなふうに使ってあげるのがいいのかも、
まだまだ全然わかっていません。

でも、他の水とは明らかにちがう。

泥酔して帰宅したときに、家族に「はい、UFBやで」ってただの水渡されたときも「これUFBちゃう!」ってキレたらしいし(記憶がない)、
コップに水汲んできてもらって、それがミネラルウォーターかUFBかも当てられる。

飲み比べまでしてみてもわからへん人は、だいぶ味覚鈍ってるか、UFBへの愛が足りへんな。(愛はないやろ)

買ってしまった。Multisizer4e

Multisizer4eキター!

このウルトラファインバブル(UFB)を、ちゃんとロットごとに個数管理して、たくさんの企業さんの商品に使ってもらいたい。
そしていろいろな条件で泡の分布がどのように変化するのか、もっともっと可能性の糸口をつかみたい。

そんな思いがおさえきれず、購入してしまいました。Multisizer4e。

これまで清水研究員の勘とわたしの舌で管理していましたが(それもすごい話やけど)、
やっとバブルが部分的に可視化できるようになったおかげで、さらにいろんな分野での応用が進みそうです。

というわけで、このブログに「ウルトラファインバブル(UFB)」のカテゴリーを追加しました。
どのくらい皆さんにお伝えしていけるかわかりませんが、腸内細菌たちと同じくらい色んな可能性を持ったウルトラファインバブル(UFB)を、今後ともどうぞよろしくおねがいします。

この記事を書いた人

ちひろ
ちひろ研究員(菌作家)
自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。
でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。
いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。
個人ブログ→千のえんぴつ

〈特許出願中〉10年経っても消えないUFB製造技術

私たちは画期的な方法によりバブルの長期安定を実現し、検証試験では10年前のサンプルでもバブルが残存していることが証明されました。泡の数、密度、長期安定性どれを取っても圧倒的な技術力が自慢です。

References   [ + ]