腸内フローラ移植(便移植)の研究開発機関です。腸内フローラ移植臨床研究会の専属研究機関として、全国の医療機関と連携しています。
シンバイオシス研究所
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微生物との共存共栄を考える、シンバイオシス(symbiosis)とディスバイオシス(dysbiosis)

シンバイオシス

今日は、目に見えない小さな微生物たちとの共存共栄を考えるとともに、シンバイオシスの由来について少しだけお話させてください。

クリニックから研究機関を独立させて運営しようという話になったとき、いちばんわくわくしたのが「名前を考える」ことでした。

だって、会社設立って、登記とか口座開設とかドメイン取得とか、印鑑買うとか経理どうするかとか、市役所とか税務署への書類とか、ほんまにびっくりするほどおもんない作業しかないねんもん。

うちの菌職人(本人は職人と呼んでほしいらしいです)である清水の名前を入れるだの入れないだの、
カタイ名前はいやだの、
そもそも研究範囲をもっと長期的に考えないと決められないだの、

ネーミングセンスのない2人がああでもないこうでもないと、3日くらい考えました。(わりと短期間)

日本うんこ(JPP=Japan PooP)とかも候補にあった気がする。
日本製紙、的な。

紙とうんこは切っても切れない関係ですもんね。
お後がよろしいようで。(日本製紙に怒られるわ。ほんで勝手に終わりなさんな)

こういう名前考えたりするのって、悩むほどわけわからなくなってきますよね。
たぶんわたし、将来子どもとか仮にできたとしても、届け出の義務のある期限内に名前決められへんくて、子どもに「S-1769487番(仮)」みたいな名札をつけてしまうことになるんかもしれへん。(どんな国家や)

で、いろいろあって結局「シンバイオシス」になりました。

シンバイオシスってなんなん? ってところと、わたしたちの思いを知っていただけるとうれしいです。
シンバイオス、シンバイオマス、とかいろいろ間違えられるし。

逆に漢字はどう?
「辛倍お寿司」とか。覚えやすくない?(まずそうやわ。ほんで、お寿司ちゃうわ。オシスやわ)

シンバイオシス(symbiosis)とは

わたしたちのおなかには、ざっくり分けて200種類ぐらい、細かく分けると3万種類もの細菌たちが暮らしています。
数で言うと、100〜1000兆ぐらい。

もう、それはそれは途方もない数と種類ですね。
それぞれに個性があるわけなので、我々の内側は多民族国家どころの騒ぎではないわけです。

その子たちそれぞれがどのようなバランスで存在してくれているかというのが、わたしたちの健康に大変重要であることは、これまでここで何度もお話してきました。

肌をはじめとした全身の若返りスイッチを入れてくれたり、
精神状態を穏やかにしてくれたり、
基礎代謝を向上させてくれたり、
免疫力を上げてくれたり。

わたしたちの身体だけではまかないきれない機能を、たくさん担ってくれています。

特に、免疫力への影響については、よくよく考えるとなんとも不思議です。

だってほら、考えてみて?
免疫って、なんのためにあるかっていうと、「自分以外の異物を見分けて、場合によっては攻撃する」ためやんか。

細菌とか、異物の最たるものやんか。
謎の生命体が、身体に入ってくるねんで?
生きたまま。すごくない?

自分の身体に有益な細菌を、わたしたちの免疫が選んで取り込んでいることは、この記事でも書きました。

ほんで、さらにその上、腸内細菌がわたしたちの免疫力の働きに影響を及ぼすねんで?

まだ学生の妹と二人で暮らしてたとして、はじめはわたしが全部生活費出してることやし、使いみちも細かく指定して、お金使うときはいちいち相談させてたとするやん。
設定は妹が腸内細菌で、わたしが人間な。(バレたらぶっ飛ばされんで)

妹は、わたしに美味しい晩ごはんを作ってくれたり、「おかえり」って可愛らしい笑顔を向けてくれたりするわけです。
しかも、お金の管理とか苦手なわたしに代わって、家計簿とかつけてくれると。
なんなら、ファイナンシャルプランナーの資格を取って、資産運用まで提案してくれると。

そうなると、わたしの将来設計は安定し、ひとりで逞しく生きていける力がつくというわけ。(それがいいかどうかは別として)
余剰金で妹にブランド物のひとつでも買ってやれるでしょう。
この、妹に資産運用してもらうっていうのが、腸内細菌が免疫力の働きを高めてくれるってこと。

もともとはわたしが妹にお金の使いみちとか指定してたはずやのに、あれ? いつのまに? 立場逆転?
まあ、こんなもんなのかもしれません。

ちょっと例え話が長くなってしまいましたが、シンバイオシス(symbiosis)というのはこういう「一緒にいることで、お互いにとって利益のある関係」のことです。

シンバイオシス

厳密には、「複数の生物が、相互に関係しあって一緒に暮らしていること」という意味で、おおまかに以下のタイプに分けられます。

  1. 互いに利益を与え合う、仲睦まじい夫婦タイプ
  2. どっちかだけに利益があってもう一方は特になにもない、まあどうぞご自由にタイプ
  3. どっちかだけに害があってもう一方は特になにもない、これ誰が得するんタイプ
  4. 片方に利益があってもう片方に害がある、世知辛い世の中タイプ

がありますが、ここでは1を想定しています。

腸内細菌たちをはじめとする微生物たちが、わたしたちが健康で生きていくうえでありがたい存在でいてくれる。
そして彼らは、わたしたちの体内にいることで、住処と食料と安全を得られている。

そんな不思議な、理想的な関係がシンバイオシス(symbiosis)なんです。

ディスバイオシス(dysbiosis)とは

シンバイオシス(symbiosis)という言葉とは別に、ディスバイオシス(dysbiosis)という言葉もあります。

腸内細菌とわたしたち人間の互恵的な関係が崩れてしまっている状態を、そう呼びます。

ディスバイオシス(dysbiosis)について書かれた、こんな文章があります。

炎症性腸疾患,肥満,糖尿病,がん,動脈硬化,自閉症など,ヒトのさまざまな疾患における発症の感受性と,腸内フローラの細菌種の構成の異常とが密接に結びついていることが明らかになってきている.この腸内フローラの細菌種の構成の異常は“dysbiosis”とよばれており,細菌種の数の減少(単純化)や,少ないはずの細菌種の異常な増加,あるいは,通常は優性であるはずの細菌種の減少などをさす1).すなわち,dysbiosisは腸内フローラの全体として保有する遺伝子の数が減少し,“全体として機能的に劣った”細菌の構成というのと同義である.領域融合レビュー, 2, e011 (2013) DOI: 10.7875/leading.author.2.e011
Kenya Honda: The gut microbiota and immune system.

このように、互恵的な関係が崩れることのみならず、単に腸内細菌の多様性低下や、本来あまりたくさんいてはいけない種類の菌の異常増殖がディスバイオシス(dysbiosis)と呼ばれるようです。

dysbiosis

腸内細菌の多様性、薬に耐性を持った菌の異常増殖については、前にも書きました。
腸内細菌の多様性の大切さを、クロストリジウム・ディフィシル感染症から学ぶ

わたしたちの祖先は、はるか40億年前の腔腸動物時代から細菌とのシンバイオシス(symbiosis)を大切にしてきました。
けれど、わずかここ100年あまりのあいだに、人びとの生活は大きく変わりました。

食生活が急激に変わり(ファストフード、欧米化)、
清潔好きになるあまり、度を超えて殺菌し、
感染症の可能性がほんのわずかでもあれば、「とりあえず」というふうに抗生物質を摂取してきました。

その結果、常在細菌たちは混乱させられ、彼らとわたしたちの関係がディスバイオシス(dysbiosis)になるケースが次々に出てきています。

わたしたちシンバイオシスができること

シンバイオシス
※これは全然、別人。

今、世界的に問題となっているディスバイオシス(dysbiosis)をシンバイオシス(symbiosis)に戻すため、わたしたちは日夜研究を続けています。

腸内フローラ移植(糞便微生物移植)は、腸内フローラの多様性低下にもっとも有効な方法のひとつとして注目されており、わたしたちもその可能性を信じて、治療の確立へ向けて臨床医と連携しながら活動しています。

先ほど引用した文章の続きにこのような記載があります。

そして,いくつかの疾患に対しdysbiosisの改善がきわめて重要な治療法となりうることが,便の移植の治験などから明らかになりつつある.たとえば,Clostridium difficileとそれによる難治性偽膜性腸炎は顕著なdysbiosisをともなうが,健常者の便の移植がこのdysbiosisを改善し,疾患の治癒において非常に高い効果を発揮したという臨床試験が発表されている2).領域融合レビュー, 2, e011 (2013) DOI: 10.7875/leading.author.2.e011 Kenya Honda: The gut microbiota and immune system.

自分たちの周りのいろいろなことを解明し、便利なものを発明し、この惑星を支配したような気分になっていたわたしたちに、腸内細菌たちは警鐘を鳴らしてくれているのかもしれません。

「あなたがただけでは、生きていくことさえできないんですよ」と。

おまけ

めちゃくちゃいい感じに締めくくれたので、このまま終わりたいところなんですが、ひと言だけ。
わたしたちの会社名は「シンバイオシス」なんですが、実はsymbiosisではありません。

うちの菌職人(臨床検査技師)の名前が「清水 真」でして、その「しん」をとってShinbiosisということにしています。

清水はすごくシャイで謙虚な人で(頑固ですけど)、人前で喋るのとか会食の席とかがものすごく苦手なんですが、
実はわりと自己主張の激しいタイプなんではないかと思ったりします。

自分の芯をしっかり持ちつつ、他人も思いやれる。
そして、お互いがお互いにとっていい関係でいられる。
他の人とも、微生物たちとも、地球とも、そんなシンバイオシス(Shinbiosis)を心がけて生きていきたいですね。

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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。 でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。 いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。
腸内フローラ移植(便微生物移植)を知っていますか?
わたしたちの腸に暮らす腸内細菌たちと健康との関連が、世界中で次々に明らかになってきています。 「すべての病気は腸から始まる」と言われるように、腸内環境が崩れると病気を引き起こすことが知られています。
健康な人の腸内フローラを移植することで、ふたたび健康を取り戻そうという治療法に期待が高まっています。
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