シンバイオシス研究所は腸内フローラ移植(便移植)の研究開発機関です。腸内フローラ移植臨床研究会の専属研究機関として、全国の医療機関と連携しています。
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口腔内細菌とお友達になりたい。むし歯や歯周病だけじゃない!

口腔内細菌

聞いてください。

わたしって、デスクワークのときは仕事中にずっとお菓子食べてるじゃないですか。(知らんがな)

正月休みよりも、仕事始まってからのほうが太ったしな。

そしたら先日ついに、むし歯になったんです。(泣)
毎日歯みがきも歯間清掃もしてたし、お菓子の食べすぎが原因としか考えられへん。

ほんまに歯が痛すぎて仕事に集中できんくて、むし歯休暇取りたい。
はやく治療が終わってほしい。

勝手に不摂生して、勝手にむし歯なって、痛くて仕事できませんって社員、私ならクビにするわぁとか思うと、
今度は耳と心が痛い。(そのまま反省しなさい)

ほんで、やっぱりじっと座ってるとイライラしてきて、なんか食べてしまって、
左ばっかり使わなあかんから、左のほっぺたの中の皮がむけてしまった。

人間って、無意識のうちに左右の歯をうまいこと使っててんなあと初めて知りました。(引くほど反省の色がない)

口腔内細菌と疾患の関連

口腔内細菌

むし歯は、食べカスをエサとする細菌たちが増殖することが原因だそうです。
中でもミュータンス菌は、別名「むし歯菌」とも呼ばれるほど。

人間って、なんでこんなひどいあだ名つけるんやろ。
わたしが「むし歯菌」ってあだ名やったら、不登校どころか、学校に退職願たたきつけるわ。

むし歯や歯周病とは無縁の人でも、お口の中にはたくさんの細菌がいます。
唾液や歯垢の中に、億単位で暮らしています。

最近になって腸内細菌が健康に関わっていることがわかってきていますが、実は同じ消化管として口腔内細菌も全身の健康に大きな影響を及ぼしていることが明らかになってきています。

参考として、論文をいくつか紹介します。

Infection of specific strains of Streptococcus mutans, oral bacteria, confers a risk of ulcerative colitis
Nature Published: 26 March 2012
※日本語版:口腔細菌ミュータンス菌特異株の感染は潰瘍性大腸炎のリスクを高める

口腔常在菌の中には、異所性に腸管に定着すると免疫を活性化するものがいる
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 2017年10月20日

上記の2本は、口腔内のミュータンス菌やクレブシエラ菌が腸管まで到達し、そのまま住み着くことで潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を引き起こしている可能性を示しています。

炎症性腸疾患は原因不明と言われつつも、長いあいだいわゆる「自己免疫疾患」と位置づけられてきました。
自分の免疫細胞が自分を攻撃してしまう疾患です。

けれど、これらの論文が示すのはちょっと違っているように思えます。
腸炎ビブリオなどの一般的な感染症とは区別されるべきですが、炎症性腸疾患も細菌による感染症の可能性があるのではないでしょうか。

さらに、口や腸などの消化管とは直接関係のない疾患も、口腔内細菌との関連が見つかってきています。
脳血管障害、誤嚥性肺炎、糖尿病、動脈硬化なんかが「お口の環境」と関連しているなんて、歯医者さんもびっくりです。

『口腔内のむし歯菌』と『微小脳出血』との関連を解明 国立循環器病研究センター 2016年2月5日

口腔フローラと全身の健康
第4回嚥下障害診療センター 2014年9月3日

口腔内細菌と腸内細菌

口腔内細菌と腸内細菌

口の中から肛門付近まで、わたしたちの消化管には細菌が数えきれないほど住んでいます。
皮膚や膣の中にもいます。

みなさんならご存知の通り、基本的には彼らはわたしたち宿主の健康を守ってくれています。

単細胞やから裏表がなくて親切っていうのもあるかもしれんけど(失礼やな)、
自分たちが住むところを少しでもいい環境にしようという、持ちつ持たれつの関係でもあります。

口の中にいる細菌たちと腸内細菌とを比べると、その顔ぶれはかなり違っています。

まず、口は空気環境にさらされるので、空気があっても活動できる菌たちが多く暮らしています。
腸に偏性嫌気性菌が多いのに対して、通性嫌気性菌の割合が高めです。
前にもちらっと書きました。

前編|腸に住んでいる菌たち(嫌気性菌)は空気に触れると死ぬのか

そして口の中は、食べ物など外からの異物を最初に取り込む機会の多い場所。
より環境は過酷であり、その中でたくましく生きながら外敵と戦っているため、口腔内細菌たちはちょっとガラが悪い子も含まれます。

口腔内細菌が人間に悪さをする理由

口腔内細菌たちは、健康でお口爽やか&歯が丈夫な人の口にもたくさんいます。

けれど、歯磨きのCMなどで口の細菌が洗い流されるイメージ動画が流れるように、「口の細菌」にあまりいい印象を持つ人は少ないのではないでしょうか。
では、口腔内細菌が人間に悪さをしているように見えるのはなぜなんでしょう?

食べ物が悪くなっている

コンビニ弁当

もうこれは火を見るより明らか。
保存料も、着色料も、人工甘味料も、利便性やコストダウンと引き換えに支払った代償はあまりにも大きい。
これを、「ええ食べもんがスーパーで見つからん現象」と呼びます。

間食をちょっとでも減らそうと思って買ったボトルガムも、菌たちにとっては「砂糖なめといてくれたほうがよかったわ」って話なんやろな。ごめん。

今の時点から江戸時代レベルの食生活を取り戻そうと思ったら、どれくらいお金かかるんやろ。
本来お金をそんなにかけずとも手に入っていたシンプルさに大枚をはたかなくてはいけない、複雑を極めた資本主義社会の悲しき宿命。

そして美味しい乳ボーロ。(手が止まらん)

胃薬の使いすぎ

胃薬

ちょっと具合悪くて近くの診療所行った時、抗生物質よりも高頻度で出される薬があります。

そう、胃薬。

年末にインフルエンザにかかったときも出していただきました。

すべての薬にセットでついてくる、マクドナルドのポテトのような存在の胃薬。
ちょっと胃が痛いときにも、市販で気軽に買える胃薬。
この胃薬の常用が、口腔内細菌が身体で悪さをする原因になっているかもしれないんです。

胃薬の中には、「胃酸の分泌を抑えるタイプ」があります。

ストレスや生活習慣の乱れで過剰に分泌されてしまった胃酸を抑えるのが目的なんですが、これを毎日のように飲んでしまうと、逆に胃酸が抑えられすぎてしまう場合もあります。

胃酸は、口腔内細菌を含めて口から摂り込んだ細菌たちを、強力な酸で一気に殺して無毒化する役割があります。
一次試験の筆記テストで9割落として、あとの面接試験をラクにしてやろうという公務員試験と一緒です。

でも想像してみてください。
試験を作る人が二日酔いかなんかで、「9割通ってしまう」テストを作ったとしたら。
二次試験以降は、玉石混交の大混乱に陥ります。

これと同じことが、胃を通過したあとの腸で起こっているかもしれないんです。
本来なら胃酸でやっつけられるはずだった外部の細菌、口腔内細菌が、デリケートな腸まで届いてしまう。

腸内細菌が腸を守れていない

本来いないほうがよかったような菌たちが不運にも腸まで届いてしまった場合でも、腸内フローラがきちんと機能していれば、外から来た菌は腸に住み着かずにうんちとして排泄されていきます。

腸内細菌たちが、腸の中でバリアとして働いていることは、前にも書きました。

四段構えで身体を守ったり保ったり【腸と免疫シリーズ3】

でも、もし腸内フローラバランスが崩れていて、腸のバリア機能が弱っていたら。
外から入ってきた菌たちが幅を利かせて、どんどん増殖していってしまうかもしれません。

だって腸の中は、小さくて食べやすくなったエサもたくさんあるし、怖い胃酸もないし、ぬくぬくとした温室環境やから。

このように、いろいろな要因が重なって、口腔内細菌は身体で悪さをしているように見えてしまうのです。

善き口腔内フローラバランスは体を守る

口腔内フローラバランス

腸内フローラバランスと同じように、口腔内細菌たちにも良いフローラバランスというのがあるはずです。

腸内細菌にとって、過剰な抗生物質の使用がクロストリジウム・ディフィシルなどの重大な病気を引き起こしてしまうように、
口腔内細菌を「死滅させる」方向が間違っているのは、皆さんなら十分にご存知だと思います。

では、どんな口腔内フローラバランスが理想なのか?
口腔内フローラバランスを整えることで、腸内フローラバランスも整うのか?

そのあたりのことは、まだ研究が進んでいません。
人間の周りにいる常在細菌たちの研究が急速に進んでいるので、近い将来明らかになっていくでしょう。

これを機に、わたしも「おやつは、おにぎりとりんごとサツマイモとナッツだけ」とかにして、むし歯にならないようにしようと思います。(まんまるになっても愛してください)

でももう今日は普通のお菓子食べちゃったから、明日からにしよーっと。(誰か口にチャック縫い付けて)

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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。 でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。 いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。
腸内フローラ移植(便微生物移植)を知っていますか?
わたしたちの腸に暮らす腸内細菌たちと健康との関連が、世界中で次々に明らかになってきています。 「すべての病気は腸から始まる」と言われるように、腸内環境が崩れると病気を引き起こすことが知られています。
健康な人の腸内フローラを移植することで、ふたたび健康を取り戻そうという治療法に期待が高まっています。
腸内フローラ移植(便移植)とは

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