1982年から続けてきた微生物の基礎研究や医療機関における臨床を経て、独自の腸内フローラ移植(便移植)方法を開発しました。微生物たちとの共存共栄には、無限の可能性があると信じています。
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男子のケンカ(細胞性免疫)と女子のケンカ(液性免疫)【腸と免疫シリーズ5】

今日は、前座として仕事における緊急性と重要性のお話をしたいと思います。

1,緊急性が高く重要性も高い業務というのは、例えば期日までの納品とか、電話対応。
こちらの都合など関係なしに、ねじ込んできます。
まるで、ほんの少し空いている隙間に、大きなお尻をねじ込んでくる、夕方の御堂筋線のおばちゃんのように。

2,そして緊急性が高く、重要性は低い業務。例えば、もう終わっているイベントのポスターをはがすとか。
別にやらんでも死なへんけど、早めにやっといたほうがいいよねってやつ。

3,緊急性も重要性も低い業務は、基本的に放置されます。
そして、年末の大掃除あたりでエライ目に遭います。

4,最後に、この画像のハートの部分。
緊急ではないけど、重要なところ。

重要と緊急
※うっすいシャーペンで手書きの写メですいません。

例えばこの「免疫シリーズ」のような記事更新業務のことを指します。

ここのカテゴリに入る仕事は、楽しいし、決して軽視してはいけない部分なのに、往々にしておざなりにされがちです。
彼女が優しいからって、記念日に急に入った得意先の接待を優先するような男と同じ。

「ほんとうに大切にせなあかんこと、わかってる?」って、優しい彼女はきっと言わないでしょう。
そして失って気づく、彼女の存在の大きさ。

うわーーん!! ごめんよぉ、免疫シリーズ!!!
一ヶ月も放置してごめんよぉ!!
免疫が腸にとって、人間にとってどれだけ大きな存在かちゃんとわかってるから、君を失いたくない!!(だいぶ末期やな)

というわけで、前回の「自然免疫でパトロールして、獲得免疫でいざ出陣【腸と免疫シリーズ4】」に引き続きまして、今回は「細胞性免疫と液性免疫(抗体や抗原について)」お話ししたいと思います。

直接攻撃(細胞性免疫)+間接攻撃(液性免疫)=国の攻撃力

攻撃

わたしたち人間には、「自然免疫」という機動力の高い免疫力と、
獲得免疫」という記憶力のいい免疫力が備わっていることは前回お話ししました。

ところで免疫の働きは、「細胞性免疫」と「液性免疫」という2種類の免疫に分かれます。

「細胞性免疫」というのは、直接攻撃タイプの免疫です。
ヘルパーT細胞の指示を受けて、獲得免疫チームからは細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)、自然免疫チームからはマクロファージなどが出動し、物理的にガシガシ攻撃しまくります。

男の子の喧嘩をイメージすると、近いかもしれません。

一方で「液性免疫」というのは、その名の通り、血液や粘液などの体液をとおして免疫力を発揮します。
前回の記事の獲得免疫のところで、こんなふうに紹介しました。

B細胞と抗体
B細胞は、抗体と呼ばれる武器を持っていることが特徴です。矢、鉄砲、火炎放射器、足を絡め取るネバネバの物体、コケやすくなるビー玉、めっちゃ不快な音を出す機械など。(後半、攻撃力下がっていない?)
敵に応じて、適切な武器でどんどん攻撃します。

こちらもヘルパーT細胞の指示で、B細胞がたくさん武器(抗体)を作り出します。
その抗体たちが体じゅうを巡って、標的にぴったり合うように結合して、敵が攻撃されやすいような状態にしたり、敵のやる気を削ぎます。

女の子の喧嘩はこういう複雑なのが多いですよね。
先生に言いつけて、自分よりも相手のほうが悪いみたいな言い方をして先生に怒らせたり、筆箱隠したり、言葉攻めしてみたり。

実際、液性免疫は非常に優秀な免疫システムなわけですが、なんというか、正面からぶつかるのではなく、小賢しく相手を攻め落としていく感じがしますね。

変幻自在の武器、抗体(免疫グロブリン)とは

免疫グロブリン

抗体は免疫グロブリンというタンパク質です。
「Y」みたいな形をしていたり、「Y」が2個とか5個とかくっついているような形をしています。

わたしたちの身体はもう、それはそれはすごくて、どんな異物でも、今まで出会ったことのない未知の異物でも、それにぴったり合う抗体を作ることができます。
なんで出会ったこともない異物(抗原)に合う抗体を作れるのか?

すでに起こっている事象を観察して、法則を発見して、自分たちが進化してきたと思っている我々人類には、とうてい理解できないであろう。

どんなに人工知能が発達しても、いろいろな物事の法則が明らかになっても、はるか昔からわたしたちの身体に備わっている免疫システムに匹敵するプログラムは、これからも人類は作れないと思う。(話が難しくなると、そうやってすぐ哲学的な話題に持ち込もうとするやろ)

ちなみに、この抗体を出しているのはB細胞ですが、一度感染した異物(抗原)の情報はしっかり覚えてくれるので、また同じやつが攻め込んで来た際には、もっと迅速に、もっとぴったり合う抗体を作ってきます。

みなさん、B細胞と抗体を攻略したいなら、最初の攻撃で仕留めることが何より肝心です。彼ら、学習能力がありますので。(お前はいったい誰の味方や)

抗体は、ただ異物を攻撃するだけではなく、いろいろな働きがあります。

  • 臭いものにフタ(異物の中和作用)
  • 菌の無毒化や、ウイルスが細胞に感染できないように、囲ってしまいます。

  • マヨネーズかける(オプソニン化)
  • 抗体は、異物(抗原)にマヨネーズをかけます。
    マヨネーズをかけると、なんでもおいしくなります。
    そのため、マクロファージや好中球などの細胞が、異物をむしゃむしゃを食べてくれるというわけ。

  • 自らは手をくださず、子分に攻撃させる(細胞溶解)
  • 「補体」というやつに働かせて、異物の細胞を溶かして穴を開けます。

  • 泣いてアピール(炎症の誘発)
  • 異物と反応して、ギャン泣きします。
    「こいつにいじめられたー!」と全身にアピールするわけです。

抗体(免疫グロブリン)の種類

変幻自在

免疫グロブリンは「Ig(Immunoglobulin)」から始まるんですが、大きく分けて5種類あります。

「IgG」、「IgM」、「IgD」、「IgE」、それから「AIG」。(それ保険会社や)

「IgG」、「IgM」、「IgD」、「IgE」、それから「AC」。(それは公共広告機構や)

「IgG」、「IgM」、「IgD」、「IgE」、それから「IgA」。(それは……そうそう、それや)

IgG
血液中に多く存在し、免疫グロブリンの7割程度を占める。
免疫が未熟な胎児を守ったり、母乳を通じて赤ちゃんを守ったりもする。
IgM
免疫グロブリンの1割程度を占める。
Yが5個くっついたような形をしている。
液性免疫の中では反応の早い子で、感染の初期に頑張るタイプ。
IgA
免疫グロブリンの1割程度を占める。
Yが2個くっついた形をしている。
腸管にたくさんいて、細菌の感染を防ぐと同時に、有益な腸内細菌を粘液下に誘導する役割も果たしている。
門番的な子。
IgD
免疫グロブリンの1%以下。
存在感はあまりない。(ごめん)
そして働きもよくわかっていない。
謎のタキシード仮面。
IgE
免疫グロブリンの0.001%以下しかいないにもかかわらず、重要な働きをしている。本来は寄生虫の感染に備えて存在していると思われるが、日本などの先進国ではアレルギー反応を引き起こす抗体として知られる。

なぜ毎年インフルエンザにかかるのか?

インフルエンザ

細菌やウイルスに対して記憶力のいい免疫たちが手を焼いているのが、「インフルエンザウイルス」です。

わたしたちの免疫は、未知の異物(抗原)に対して対処することもできるし、一度覚えた異物に対しては、迅速に処理することができます。
おかげで、一回でも水ぼうそうに罹れば、それ以後は病原体に接しても、感染する前に免疫によって排除されるので、発症はしません。(水ぼうそうになると、記念にハダカの写真を撮っておきたがる親っていません?)

けれど、インフルエンザウィルスというのは賢いやつで、前の年から微妙に変装して帰ってくるんです。

「ちょっとサングラスかけとこ」とか、
「10キロほど太ってん」とか、
「女装して行こかな」とか、

手を変え品を変え侵入してくるので、B細胞たちもそのたびに新しい敵として対応しないといけなくなってしまうんです。

素晴らしい仕組みには、それと同じくらい小賢しい敵が待っているものなんですね。
受けて立とうじゃないか。

高校生のとき、期末テストの真っ最中に40度の熱出たけど。(負けとるやないかい)

さて、次回からはいよいよ腸管免疫と腸内細菌の働きに入っていきます。
免疫の要、腸管免疫のしくみ【腸と免疫シリーズ6】

【前回までの免疫シリーズ目次】
免疫力が大切っていうけど、そもそも何なん?【腸と免疫シリーズ1】
免疫の異常と疾患のものすごく深い関係【腸と免疫シリーズ2】
四段構えで身体を守ったり保ったり【腸と免疫シリーズ3】
自然免疫でパトロールして、獲得免疫でいざ出陣【腸と免疫シリーズ4】

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