免疫シリーズものでやりますやりますと言っておきながら、2週間以上あいてしまいました。
もうあれから2週間か…
節分もバレンタインも、いつの間にか終わってたな。
今年はインフルエンザが例年にもまして大流行しているようですが、皆さん大丈夫でしょうか?
わたしは、予防接種とかしているわけでもないのに、インフルエンザは全然罹らないタイプです。
(※2/27追記:読者様からのご指摘がありました。厚生労働省のウェブサイトによると、インフルエンザワクチンは、感染を防ぐことではなく重症化を防ぐことに最も大きな効果があるそうです。)
インフルエンザウイルスは賢いやつで、水ぼうそうみたいに一度かかったからといって免疫ができるわけではなく、罹る人は毎年のように罹ってしまうようです。
このあたりのお話は、もう少しあとの「獲得免疫」のところで詳しくお話ししますね。
前回は、免疫の基本のきの字でした。
今回は、その免疫のシステムが崩れるとどうなるねんってところのお話をしようと思います。
わたしたちの身体を守ってくれている免疫というシステムは、実に多種多様な「免疫担当細胞」と呼ばれる細胞たちの複雑な働きによって成り立っています。
免疫担当細胞については次回で詳しく触れますが、ざっくりとしたイメージとしてはこんな感じ。
わたしが『塔の上のラプンツェル』やとします。(ディズニーに怒られるで)
歩兵や鉄砲部隊、監視塔、右大臣と左大臣、深い外堀、お城までの入り組んだ道、強固な鉄の扉。
ラプンツェルであるわたしを敵の侵入から守るために、これらの様々な要素が絡み合います。(この妄想めっちゃ楽しい)
監視塔もちゃんと完璧なシフトが組まれていて見張り番が居眠りしていることもないし、
鉄砲部隊の玉が国民の家をぶっ飛ばすこともないし、
右大臣と左大臣の意見が真っ向から対立して全軍大混乱ってこともないし、
鉄扉のカギがたまたま開いてました、みたいなこともない。
免疫システムがちゃんと働いている状態です。
わたしたちの身体で免疫システムがちゃんと働いていると、身体で悪さをしそうな細菌やウイルスが外から入ってきたときに感染を防いでくれます。
腐った牛乳を飲んでお腹を壊すのも、「イカン、これははよ身体から出さなあかんで!」と免疫が働いてくれた証拠。
わたしは多少賞味期限切れの物食べてもお腹壊さんけど、別に体調悪くもならへんな。なんでやろ。
ちょっとぐらい腐ってても、普通の食べ物と同じ扱いになるんやろか。(鉄の免疫力)
日々必ず起こっている細胞のエラーが積み重なって「がん」になるわけですが、この細胞のエラーの修復や、がん化した細胞の排除も免疫システムが行ってくれます。
がん患者さんへの腸内フローラ移植も、まずはこの免疫力の調整をターゲットにします。
何らかの要因により、免疫力が下がってしまった状態です。
免疫力が下がると、風邪をひきやすくなったり、細胞のエラーを修復できなくて「がん」になってしまったりします。
免疫力が低下してしまう原因には、こんなものがあります。
ほかにもいろいろありますが、現代人は人間のもともと持っている免疫機能を甘やかしすぎていたり、ちゃんとケアしてあげていなかったりする生活パターンみたいです。
ごめん、免疫。
免疫の異常というのは、なにも免疫力の低下だけではありません。
免疫が過剰に働きすぎて、別に敵とみなさなくてもいいのに、反応してしまうこともあります。
ラプンツェルの例で言うと、「王様が姫を守りたいがために、隣国の使者も、名も無き旅人も、西の国から結婚を申し込みに来た王子も全員排除」の状態です。
これ、門番が追い返すだけならまだしも、監視塔が察知するやいなや大砲が発射されたりすると、民家も被害を受けます。
これがアレルギーの状態。
本来であれば身体に害はないはずなのに、身体が「敵や!」と思ってしまうんです。
花粉症、小麦や卵などに対する食物アレルギー、ハウスダストアレルギー、最近では柔軟剤に対してアレルギーが起こる場合もあります。
精製された食べ物や、行き過ぎた除菌、化学製品の普及なんかが、アレルギー患者をどんどん増やしています。
重篤な場合は、ほんの少量のアレルギー物質で死に至る場合もあります。
かくいうわたしも、幼少期は数え切れないほどのアレルギーを持つアトピー患者でした。
頑固な人が周りの意見を全部はねつけてしまうような、ほぼ鎖国状態です。
外からの侵入がない限りは安全かもしれませんが、それでは国は発展できない。
そもそも、いつまでのペリーの来航を引き伸ばすわけにもいきませんよね。
鎖国状態にしていても、免疫が過剰に働いてしまう場合があります。
それが、「自己免疫疾患」と呼ばれるもの。
自己免疫疾患には、関節リウマチを始めとする膠原病などのような全身性のものと、バセドウ病・多発性硬化症・突発性血小板減少性紫斑症などの臓器特異的なものがあります。
最近、腸内フローラ移植のお問合せでも急増している「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」も、この臓器特異的な自己免疫疾患に分類されると考えられています。
ラプンツェルの例で言うと、「王様が姫を守りたいがために、国内の男全員抹殺」状態です。
免疫システムのバグや、免疫の寛容性の低下などにより、自分自身を敵とみなしてしまうことで起こる疾患です。
この他にも、生活習慣病と呼ばれる以下のような疾患・症状にも免疫が関係していると言われています。
まだまだ深い免疫のお話。
いよいよ次回から、免疫の詳しいメカニズムに入っていきます。
なんか間違ってたら、ぜひ教えてください。(もっと自信を持ってお届けせえ)
▼次の記事を読む▼
四段構えで身体を守ったり保ったり【腸と免疫シリーズ3】