腸内フローラ移植(便移植)の研究開発専門クリニックです。腸内フローラ移植臨床研究会の専属研究機関として、全国の医療機関と連携しています。
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ドナーは「理想の腸内フローラ」を持った人がなれるのか

ドナー便移植

腸内細菌、腸内フローラの存在がわたしたちの健康どころか、生命を維持するうえで必須であるということが、どんどんわかってきています。
アメリカの消化器学会では、最新の論文のうち8割が腸内細菌に関すること。

「ヒトゲノム計画」というプロジェクトでヒトのDNA(遺伝子)が全部解明されたのに、未だ病気は克服されない。
というわけで白羽の矢が立ったのが、マイクロバイオーム(微生物)というわけです。

目に見えないほど小さい微生物の生態を解明して、かたや宇宙とか銀河とか想像もできないほど大きなものの仕組みを解明して、
果たして普通の大きさのものは手薄にならないんだろうか?と疑問に思います。(そういう問題じゃないと思うで)

それでね、
「腸内フローラバランスが崩れている」とか、
「発酵食品とか食べて腸内フローラを整える」とか、
そういうことがよく言われるようになりました。

じゃあ、「どういう腸内フローラになったら理想なん?」という話になります。

良い腸内フローラの決め方

良い腸内フローラ

前に、個々の菌の働きや、「このフローラバランスが健康の証!」というような基準値がまだ明確ではないというお話をしました。

腸内フローラ検査って何なのか、何がわかるのかを徹底解説します。

これは、腸内細菌の分野がまだまだ発展途上だからです。

もちろん、細菌学は古くからありました。
でもそれは、「この菌は下痢になる菌や」などの研究が進んできただけで、
わたしたちの健康に役立ってくれている菌たちの解明はなされてきていなかったんです。(O-157とか、聞いたことありますでしょ)

つまり、血液検査や体重などのように、「日本人の平均に比べてあなたはこんな感じです」という基準ができるには、もっとたくさんの人の腸内フローラバランスを、長期間にわたって測定し続ける必要があります。

当研究所でもそうですが、今の時点では、それぞれの検査機関が「経験的に」腸内フローラの良し悪しを決めているにすぎません。

その決め方も、「高橋さん菌が0.5%います。鈴木さん菌は3%います。小池さん菌は2%です。延々……」という結果のこともあれば、
「新潟県民が6%、沖縄県民が0.7%、北海道民が8%います。おおむね、北海道民が寒さに強いです」みたいな出し方をしてくれるところもある。

シンバイオシスではこれまで、特定の菌の数の比較はしてきませんでした。
それよりも大事なのが、バランスだと思うからです。

例えば、ここにスイカが一玉あるとします。
一般的な4人家族の場合、「一人2切れあったら十分やし、冷蔵庫もパンパンなるし、ちょっと多いわあ」ということになるかもしれません。

でも正直わたしが本気出せば、スイカ一玉なんて1回分の量です。(そんなもったいないことできへんけど)
冷蔵庫だって、一人暮らしでも4人家族分ぐらいの大きさのやつ持ってます。

こんなふうに、例え菌の数が同じでも(≒全体に占める%)が同じでも、その菌単独でなにかを判断することは難しいと感じています。

同じフローラバランスでも、現れ方が違う

フローラバランス

では、複数のフローラバランスを総合的に見たとしたら、日本人の平均値のようなものは割り出せるようでしょうか?
これ、将来的にはそうなっていくんだと思うんですが、今の時点ではまだまだ情報が足りません。

ドナーバンクに、様々なパターンの腸内フローラを持ったドナーが在籍していることからもおわかりいただけるように、
平均より明らかに健康な人であっても、その腸内フローラは様々です。

よく、「善玉:悪玉:日和見=2:1:7」みたいに分けられることもありますが、これに限りません。

患者さんを見ていても、同じフローラバランスで症状の現れ方が全然違うこともあれば、
一方は病気で、もう一方はピンピンしている、なんてこともあります。

腸内フローラが一見して悪くなったように見えるのに、症状はみるみる改善しているというケースもあります。

この現象、「まだ理想の腸内フローラが決定されていない」ということもあるでしょうけど、
「一見して悪いこのフローラバランスが、実はこの人にとっては理想の状態やった」みたいなケースもあるのではないかと思っています。

こういうことが起こる理由を、わたしなりに考えてみました。

複数の菌をひとくくりにしているから

腸内フローラ
実は、腸内フローラバランスの検査をして出てくる内容は、いくつかの菌種をまとめてひとつのグループに入れているんです。
これ、構造や働きが似通っているものをひとくくりにして、見やすい結果にしているんです。

たとえば、馴染みの深い「乳酸菌」。
乳酸菌とカテゴライズされるのは、「乳酸を生み出す菌たち」であって、特定の菌ではありません。

小田和正も、コブクロも、ドリカムも、みんな歌うまいから歌手!みたいなくくり方をしているといっても過言ではないと思います。

このへんを細かくしすぎるとかえって分析しにくいので難しいところですけどね。

菌が宿主に似るから

腸内フローラ
これね、真剣な話あると思うんです。

例えば、わたしのお腹にいるビフィズス菌と、福山雅治のお腹にいるビフィズス菌とは、ちょっと性質が違うはずなんです。
同じ人間でも、ドブ川のほとりに住んでいる人間と、自由が丘に住んでいる人間では、かなり性格や言動、生活習慣も違ってきますよね。(そんなに自分を卑下しなくて大丈夫やで、ヨシヨシ)

同様に、同じように見える腸内フローラでも、その住む環境によって働きが微妙に(時に大きく)変わってくることは、あり得る話なんです。

おもしろいですね。

腸内フローラ移植(便移植)の本当のところ

では、腸内フローラ移植(便移植)をするとき、
なにを理想の状態として、
どこを目指して、
どんなドナーを選ぶのよって話になってきます。

そもそもの便移植の概念や、どのようにドナーを選定してくかという話は、前に書きました。

腸内フローラ移植菌液はどうやって決める? 検査結果より大事なこと。

これに加えて、近ごろ思うことがあります。
それは、「腸内細菌だけで治しているわけではないのではないか」ということです。

もちろん、移植の際に食事内容を考え直してもらうとか、
生活習慣を改善してもらうとか、
考え方をちょっと転換してもらうとか、
そういうことはお願いしています。

そのことで、移植した菌たちが元気よく働いてくれるという実感もあります。

それとは別に、「移植菌液には、単なる腸内細菌のパワー以上のドナーのパワーが入っているのではないか」と思うんです。

ドナー

言い換えますと、ドナーの健康状態、性格、生き方、食べたもの。

ドナーを登録する際、それからその後も3〜4ヶ月に1回の、おびただしい数の検査をクリアした人しかドナーになれないんですが、
いくらフローラバランスが理想的であっても、ドナーになれない人がたくさんいます。

まず第一関門としてフローラバランスが良いことが最低条件ですが(経験的に「良い」と定義できる範囲で)、
それに加えて、血液検査の数値や肌の状態、人柄など、「どんなふうに現れているか」というところまで見ています。

だって、移植を受けてくださる患者さんたちは、「良い腸内フローラになりたい」というわけではないからです。
とにもかくにも、「元気になりたい」んです。

だから、良い腸内フローラの良さを最大限に活かしている人にドナーになってもらい、その人の「良いパワー」をまるごと移せるような移植を目指して、日々いろんなことを研究しています。

おすすめのドナーは、「ドナールド・マクドナールド」です。(ドナーって2回もついてるけど、フローラバランス悪そう)

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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。 でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。 いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。 ご挨拶と自己紹介も併せてご覧ください。
腸内フローラ移植(便微生物移植)を知っていますか?
わたしたちの腸に暮らす腸内細菌たちと健康との関連が、世界中で次々に明らかになってきています。 「すべての病気は腸から始まる」と言われるように、腸内環境が崩れると病気を引き起こすことが知られています。
健康な人の腸内フローラを移植することで、ふたたび健康を取り戻そうという治療法に期待が高まっています。
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