1982年から続けてきた微生物の基礎研究や医療機関における臨床を経て、独自の腸内フローラ移植(便移植)方法を開発しました。微生物たちとの共存共栄には、無限の可能性があると信じています。
シンバイオシス研究所 -微生物との共存共栄-
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糖尿病(Ⅱ型)は、すい臓の病気ではなく腸内細菌と脳の指令不足でした

糖尿病

糖尿病という病気は、わたしたちの多くが想像するよりはるかに怖い病気です。
ぽっちゃり体型がいきすぎちゃいました、みたいな軽いノリで語れるものではありません。

目が見えなくなったり、手足の自由が効かなくなったり、腎臓の機能が損なわれることもあります。
いったん人工透析に入ってしまったら、あとはもう死ぬのを待つだけ、とさえ言われるほど。

糖尿病には、先天的にインスリン分泌ができない「Ⅰ型」と、生活習慣などが原因で発症する「Ⅱ型」の2タイプがあります。
今回は、Ⅱ型の糖尿病と腸内細菌の関係についてお話しますね。

現代社会と糖尿病

糖尿病

糖尿病(Ⅱ型)は、食生活や運動不足、ストレスや睡眠不足などにより引き起こされる生活習慣病の代表格です。

血糖値を下げてくれる働きのあるインスリンの分泌が不足し、血糖値が異常に高い状態が続きます。
「おしっこが甘い匂いがする」という程度の認識しかなかったのですが、どれくらい怖い病気なんでしょうか。

この病気のやっかいなところは、初期の自覚症状がほとんどないことです。
症状が進むと、喉の乾きや疲れやすさ、目のかすみなどの症状が現れ、深刻なケースになると、神経障害や網膜症、腎症などの重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。

今の治療法は、食餌療法と運動療法が中心です。
つまり、「食べすぎ飲みすぎを控え、適度な運動をしましょう」という自然に近い方法がとられています。

状態に応じてインスリン注射などの薬物療法もとられますが、副作用があり、さらに完治は難しい病気とされています。
つまり、一生かけてうまく糖尿病をなだめながら生きていかなくてはならないということです。

一生太らない身体になるならビスコ2枚ぐらいあげてもいいけど、一生糖尿病と付き合っていかなあかんねやったら、ビスコのファミリーパック1万袋もらってもいややわ。(それで糖尿なるわ)

ちなみにあれやで、ビスコ2枚っていうのは、2枚のビスケットでクリームを挟んでいるひとかたまりを2枚カウントではなく、ちゃんと2かたまりあげるからね!!(それでもケチやけどな)

この病気になるとぽっちゃりどころか、血中の糖をエネルギーに変えてくれるインスリンが出なくなってしまうので、重度になるとどんどん痩せていきます。(いったん真面目モードに戻しますね)

糖尿病の治療はダイエットにも似ているため、体重が減ることじたいは悪いことでは決してないのですが、特に何の努力もしていないのに体重が落ちている方は要注意です。
何の努力もしていないのに痩せるなんて羨ましい限りですが、糖尿病が進行していることが原因の場合は、喜んでいる場合ではありません。
上げた口角、下げてください。

日本の糖尿病全体の患者数は、予備軍も含めると2,000万人(日本人の6人に1人)とも言われており、まさに現代社会の国民病と言えます。

ちなみに、40年前の糖尿病患者数は3万人だったそうで、食生活や生活環境のめまぐるしい変化が新たな病気を生み出しているひとつの例であるような気がします。

はたして人類が病気を克服する日は来るのだろうか。

糖尿病と腸内細菌

バクテロイデス

糖尿病は長年、すい臓がインスリンを出せなくなる病気だと考えられてきました。
そのため、体内に直接インスリンを注射するなどの方法がとられているのです。

しかし、実はすい臓の機能に問題があるわけではなく、身体からすい臓に「インスリンを出してね」という指令がうまく届かないことが原因であるとわかりました。

そして、その指令を出してくれるのは、腸内細菌の働きによるものだったのです。
腸内フローラバランスが整うことで、糖尿病は改善に向かうだろうという研究が進んでいます。

流れとしては以下の図のようなイメージです。(パワポ感満載ですみません)

腸内細菌とインスリン

①わたしたちが食物繊維を食べます。(食物繊維はわたしたちの直接のエネルギーにはならず、腸内細菌のエサになります)

②バクテロイデスなどの腸内細菌たちが、人間の身体に有益な「有機酸」を出してくれる。

③インクレチンというホルモンが分泌される。

④《ルート1》腸から脳に直結する一億本のネットワークを通じて、脳下垂体に「インスリン出して〜」という信号が行く。その後、脳下垂体がすい臓に「インスリン出しや〜って腸内細菌が言ってるで〜」と伝えてくれる。

《ルート2》インクレチンホルモンが血中を通って、すい臓に「インスリン出してくれへん? たぶん脳からも聞いてると思うんやけど」とダメ押ししてくれる。

⑤めでたくインスリン分泌!

これはまだあくまで仮説の段階ですが、糖尿病(Ⅱ型)というのはすい臓が機能しなくなった、というかつての定説は覆りつつあります。
それにもかかわらずインスリンをどばどば注射してしまうと、すい臓は「もうわたしの出すインスリンなんてお呼びでないんやわ」とすねて、サボりだします。

インスリンを適切に分泌できる身体に戻すために

腸内細菌

インスリンを適切に出すために、腸内細菌が大きな役割を果たしてくれていることはわかりました。
(※腸内細菌は上のイラストみたいな感じではないかもしれないんですが、めちゃめちゃかわいらしかったので。)

それでは、腸内細菌たちがうまく動いてくれるにはどうしたら良いのでしょう?

食べる順番を意識する

腸内フローラバランスを食事で改善するための7箇条」の記事でも書きましたが、最初の項目である「ひと口めは海洋性たんぱく質から始めるべし」は、糖尿病の患者様には特に意識していただきたいことです。

食べ物は食べた順に腸へ届きます。
海洋性タンパク質が腸管に届くと、脳へ「インスリン発射!!」の指示が猛烈に出されます。

いっそのこと腸内フローラを移植してしまう

移植

糖尿病に腸内細菌が密接に関わっているのなら、腸内細菌のバランスを整えてやれば糖尿病も改善するんではないか? と思いませんか?

そう。わたしたちもそう信じて、患者様に移植を行っています。研究段階なので、まだまだ確実なことは言えないんですが、だんだんわかってきています。

実際、糖尿病に罹患している方と健康な方では、どのように腸内フローラが違っているのでしょう?
あるいは、移植前後のバランスはどう変化したのか?

理想の腸内フローラバランスというのは人それぞれなので、どの菌を増やすべきでどの菌を減らすべきかというのは一概には言えません。
Ⅱ型糖尿病の場合は、一般にはプロボテラ属の腸内細菌が優位なバランスから、バクテロイデス属の優位なバランスを目指します。

バクテロイデス属の腸内細菌は、結果的にインスリンの分泌を促してくれる方向へ働いてくれます。
投薬治療の期間が長いほど元の状態へ戻すのが大変になってしまいます。

糖尿病(Ⅱ型)は、プロボテラ属の優位なトウモロコシなどを原料としたでんぷんや、球根などの食物繊維をよく食べる東南アジア系のフローラバランスの人がなりやすい傾向があるようです。

この「プロボテラ」という腸内細菌のグループは、食物繊維を分解する強い酵素をもっているのが特徴で、同時に心臓血管疾患の発症リスクを高めます。

治療前後のフローラバランスの変化、HbA1cや血清クレアチニン数値の変化は、『うんちのクソヂカラ』P92〜95をご覧ください。

国内でも深刻な問題になっている糖尿病ですが、タイなどの新興国で今、このⅡ型の糖尿病が爆発的に増えています。
日本の高度経済成長期以上のスピードで生活環境が変化していることに加え、病気予防への意識の低さが原因だと考えられます。

タイ料理、わりとヘルシーで美味しいんですけどね。
でも100m歩くのも嫌でみんなタクシー使うから、絶対的に運動不足になりますよね。
暑いから歩くの嫌なんわかるけどもやな。

肉食でオイリーな欧米食よりも、アジア系のフローラバランスのほうが糖尿病になりやすい。
この事実は、世界の糖尿病治療を一歩すすめる大きなヒントであるような気がします。

とはいえ、糖尿病治療にはお金も根気も時間もかかります。
「太ったぁ〜やば〜い」と言っていられるうちに、食事とか運動とか、気を付けられることは気を付けたいですね。

目下の目標は、「ストレスを食べ物以外で発散する」です。

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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。 でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。 いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。 ご挨拶と自己紹介も併せてご覧ください。
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