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【その2】バイオインフォマティクスで生命を読み解く。医療を支えるのは、人の目かデータか?

前回、傾向や法則を極限まで計算し尽くす「バイオインフォマティクス」というものを紹介しました。

【その1】バイオインフォマティクスで生命を読み解く。医療を支えるのは、人の目かデータか?

機械が人間の能力を超えてから何年経つんでしょうか。
ついにここまで来てしまった感があります。

DNAの二重らせんの、さらにその中とか、「ほんまなん? 誰か見てきたん?」ってレベル。

DNAらせん

今どきの科学技術はすごいなぁと思う一方、もっと技術の使いみちあるんではないかと思う。
添加物なしで保存の効く技術とか、空飛ぶじゅうたんとか、木と話せるイヤホンとか。

バイオインフォマティクスで個別化医療は可能になるか?

個別化医療

さて、「個別化医療」というのもよく耳にするようになりました。

この個別化医療、「もう、ちひろちゃんのためだけのオリジナル料理! 味付けも再現できへんから、今日限りの味わいやで!」みたいなことではありません。

癌を例に挙げると、要はこういうこと。
今まで癌になれば、とりあえず「抗がん剤A」を使っておくしかありませんでした。

それが、乳がんには抗がん剤A、胃がんには抗がん剤B、大腸がんには抗がん剤Cが効きますということになり、

ついには胃がんは胃がんでも、「胃がんタイプ森進一」には抗がん剤森昌子、「胃がんタイプ明石家さんま」には抗がん剤大竹しのぶ、「胃がんタイプ陣内智則」には抗がん剤藤原紀香、みたいな感じで、かなり細かい分類ごとに見事にマッチングした抗がん剤が開発されていくのではないかと期待されています。
(ちょっといい? 全員離婚しとるやないかい。)

さらに、ヒトのDNAには30億の塩基対(アルファベットね)があるんですが、これが1,000個にひとつの割合で個体差があることがわかっています。

つまり、鼻が顔の中心にあるとか指が10本とか、だいたいの設計図は一緒なんですが、ちょっとずつ違っているんです。
これが、「○○病になりやすい体質」とか、「ハゲやすい体質」とかになるわけです。

こういうことまで加味した上で、それぞれの体質や病状にあった治療を行いましょうというのが、個別化医療。
こんなん、バイオインフォマティクスの出番ですよね、普通に考えたら。

どこまでテーラーメイドな医療ができるのか

テーラーメイド医療

最近知ったんですが、「オーダーメイド」って和製英語らしいですね。
正しくは「テーラーメイド」なんだと。

和製英語って、百害あって一利なしやわ。
海外行って、「サッラリーマ〜ン」とか、「パッソコ〜ン」とか言って、なんなんこれ、全然通じへんやんってなったことあるわ。

そして、テーラーメイドな医療というと、わたしの症状や体質はもちろん、生活パターンや食生活、生理周期や気分のムラまで考慮してくれるんかいというと、そんな贅沢なもんではありません。

あくまでもデータに基づいた細分化医療である以上、それは「パターン分けをどこまで細かくするか」ということに過ぎないわけです。

ちょっと夢も希望もないことを言いますと、
人間の個性や個体差なんていうのは、あくまでも細かなデータの集積でしかなく、記憶や感情でさえも究極的にはパターン化(可視化)されるんだという立場に立てば、
確かにデータ解析によって「その人のためだけの医療」が自動ではじき出される時代が来るのかもしれません。

そんな時代に生まれなくてよかったと心から思いますが。

話をそろそろまとめますと、バイオインフォマティクスというのは、データをコンピューターに流し込むことで、適切な仮説を立ててくれます。
この仮説、人間の思いつきとは違って、ある程度の傾向を持ったデータなので、失敗が少ない利点があります。

観察と、法則の発見がモノを言う分野では、重宝されるでしょう。

ただ、あまりにもデータを過信しすぎると、近い将来頭を打つことになると思います。
失敗は少なくとも奇抜なアイディアは生まれにくく、分野をまたいだ「発明寄り」の発見には至りにくいのではないかと思うんです。

迷路

複雑な迷路で、なるべく行き止まりにぶち当たらずに速くゴールに辿り着く能力は、確かにコンピューターのほうが優れているかもしれません。

でも、「迷路めんどいから、空飛ぼうっと」とか、「あ、この壁発泡スチロールやん! 壁ぶち破ろっと」みたいな発想って、人間ならではじゃないでしょうか。
少なくとも今のところは。

患者さんとお医者さんの関係はどうなっていくのか

テーラーメイド医療

医療はなんのためにあるんでしょうか。

これは難しい問題です。
ただ寿命を延ばすことだけがゴールではないという前提からして、今の医療と矛盾しているような気もします。

近ごろ、病院に行って触診されることは少なくなってきました。
先生はコンピューターの画面を見て、電子カルテをカタカタ打ち込んでおられます。

近い将来、自分の性別や年齢、感じている症状、血圧や身長体重、それから血液や便検査のデータなんかを入力すれば、
お医者さんがいなくても診断名がつき、処方箋が出てくる時代になるかもしれません。

それでは、人工知能が発達して、どんなパターンの患者さんにも最適な答えを提示できるようになれば、人間のお医者さんはいらなくなるのでしょうか。

いやいやいや。
病気をなめてはいけません。
病気のつかみどころのなさと、患者さんが訴えることとデータの示す乖離を埋めるには、100年やそこらでは無理でしょう。

そのあいだに、また新しい病気がどんどん生まれてきます。

ここで特に言いたかったのは、その姿勢なんです。
目の前の生身の患者さんの存在を「データ」にした瞬間、その人を治すことはできなくなると思います。
少なくとも、それくらいの気持ちでいないと、人間はおごってしまいます。

ある医療関係者の方に、「わたしは文章で人を癒やしたいんだ」というような話をしたことがあります。
「文章が身体に染み込んで、捉え方や生き方、考え方が変わって、それで物理的に身体も治っていくようなお手伝いができたらうれしい」と。

その時、その人はこう言いました。
「そんなふうに、普通に本を読んだり映画を見たりして感動することのできない人たちがいる。彼らから痛みを少しでも取り除いて、少しでも普通の暮らしができるように手助けするのが、僕ら医療に関わる人間の仕事だよ」

感動したと同時に、自分は健康な身体に産んでもらったおかげで、患者さんの目線に本当の意味では立てていなかったなあと猛反省しました。

データの解析から抜け落ちるのが、こういう「感情」です。

昔々、言葉や氣や勘で患者さんを治していたようなお医者さんは、もう存在しないかもしれない。
それほど研ぎ澄まされた勘は、データによって鈍らされているかもしれない。

人も腸内細菌も生き物なので、データには出てこない面がある。
でもそれが、「肝」だったりすることもある。

バイオインフォマティクス、データ解析の素晴らしさを語る時に、こういったことも忘れないでおきたいなと思いました。

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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。 でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。 いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。
腸内フローラ移植(便微生物移植)を知っていますか?
わたしたちの腸に暮らす腸内細菌たちと健康との関連が、世界中で次々に明らかになってきています。 「すべての病気は腸から始まる」と言われるように、腸内環境が崩れると病気を引き起こすことが知られています。
健康な人の腸内フローラを移植することで、ふたたび健康を取り戻そうという治療法に期待が高まっています。
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