近年、ファインバブルと呼ばれる100μm(マイクロメートル)以下の泡を発生させる技術の研究・開発が盛んに行われています。

化学物質等を使用することなく、様々な機能を液体に付加することができることから、
環境、農業、食品、水産業、医療など様々な産業分野で活用が期待され、検証や測定法の発達に伴って急速に普及が進むと予測されています。

ウルトラファインバブル(UFB)とは

ファインバブルのうち1μmに満たないナノサイズの泡をウルトラファインバブル(UFB)と呼びます。
ミリバブル、マイクロバブルとは大きく異なる様々な特徴を持ち、次世代の技術として注目を浴びています。

液体中にバブルを発生させ、中に閉じ込める気体を変化させることで、食品の保存性や洗浄力の向上などの作用があることが確認されています。

特性1:目に見えないほど小さな泡

1m(メートル)の1000分の1が1mm(ミリメートル)、さらにその1000分の1が1μm(マイクロメートル)、さらに1000分の1が1nm(ナノメートル)です。つまり1nmは1mの10億分の1であり、その違いは地球の直径と1円玉の直径の差よりもさらに大きな差になります。
細菌は数μm程度、ウイルスは数十~数百nmの大きさをしています。

UFBの特徴は、泡の膜が電荷の膜であることです。
シャボン玉や石けんの泡のような油の膜ではなく、電子と呼ばれる電気的な働きにより液体の中に気体の泡を作っています。
このため、UFB水は余計なものを加えずに、水と気体だけで製造することができるのです。

バブル風呂などでよく見かける白濁した泡はマイクロバブルと呼ばれます。さらに小さなUFBとなると、目には見えずに液体は無色透明になります。

特性2:液体中に長期間存在できる

シャンパンの泡などのミリバブルは、浮力によって短時間のうちにどんどん大気中に逃げてしまいます。
白濁したマイクロバブルは、水の中をゆっくりと浮上し、水中で消滅します。

一方で、1μm(マイクロメートル)未満のUFBは、浮力が働きません。正確に言うと、浮力と粘性力が釣り合った状態になるため、長期間泡が消えることなく液体中に存在できます。

泡の大きさにもよりますが、数週間から数ヶ月、長いもので2年程度泡が消えないことが確認されています。

UFBの主な特性・機能

UFBはその特徴を組み合わせることで、従来は化学物質や薬品を使用せざるを得なかった場面で同等以上の作用が期待できる上、コストの削減にもなることで非常に注目されています。

UFBの主な特性・機能

  • 気体溶存性能の向上と気体封入
  • 物理的吸着・洗浄
  • 生理活性
  • 酸化の抑制

人体への影響のみならず、あらゆる生態系や環境に優しい開発を支える技術として、各分野で実用化が目指されています。

気体溶存性能の向上と気体封入機能

微細な泡の特性として、自己加圧効果というものがあります。
気泡の内部の圧力が高まることで、飽和度を超えた気体を効率よく液体中に溶解できるという効果です。

また、特定の気体を封入することで、UFBにさらなる機能を追加することも可能です。
このとき中に封入する気体を変化させることで、動植物の生育活性や食品の保存、殺菌効果などの各々の気体の持つ機能を最大限に引き出し、目的に合わせたUFBが作製可能となります。

O2(酸素)

農作物育成
微生物活性
魚の養殖

O3(オゾン)

殺菌
高度水処理
 

CO2(二酸化炭素)

炭酸泉
中和処理
 

Air(空気)

洗浄
牡蠣の養殖
香りの封入

N2(窒素)

食品加工
鮮度保持
 

F(フッ素)

医療分野
 
 

物理的吸着・洗浄作用

UFBはマイナスに帯電しているという特性を持ち、気泡同士が反発しあい結合しません。
一方で、有機的な物質や微粒子はプラスに帯電しています。
この差を利用して、ごく小さな汚れを浮き上がらせたり、有用な物質を取り出すことができます。

またバブル自身の圧壊エネルギーや、物質と出会ったときに発揮されるエネルギーにより、こびりついた汚れを効率的に洗浄する特性も実証されており、高速道路上で少ない水でトイレ洗浄ができるなどして実用化されています。

生理活性作用

非常に小さなUFBは、皮膚や毛細血管、植物の根っこなどからの吸収効率が良く、保水のみならずバブルの中に入れた物質を狙った場所に届ける作用が期待されます。
人体では体温上昇や血流改善、植物では成長促進作用などがすでに認められています。

酸化の抑制機能

UFBはマイナスに帯電しており、全体として酸化還元電位が低くなる性質があります。
このとき、泡の密度や大きさを調整することで、酸化還元電位をコントロールすることができます。

この還元力を利用して、食品の酸化防止、万病の元と言われる酸化ストレスへのアプローチも試みられています。

UFBの活用が進む各分野

UFBのすごいところは、その汎用性です。
私たちの身近な分野で、次々にUFBの研究・開発・応用が進んでいます。

例えば、高速道路のトイレをウルトラファインバブル水で洗浄することで水量を1/100程度に減らせたり[1]ウルトラファインバブルを活用した高速道路維持管理の高度化への取り組み | NEXCO 西日本 企業情報、牡蠣の養殖においてノロウイルスを不活性化させたり[2]マイクロバブルを利用した環境浄化と食の安全確保、農作物の成長促進[3]ウルトラファインバブルが作物生育に及ぼす影響:栄養・溶存酸素・攪拌条件の違いによる水耕栽培ダイズ幼苗の生育のために活用されています。

ただしUFBの測定や効果検証はまだまだ発展途上でもあり、バブルの長期保存が難しいことなどから実用化が足止めされている分野もあるというのが現状です。私たちはUFBの製造工程を抜本的に見直すことで、10年以上のバブルの長期安定化に成功しました。

UFBの活用をお考えの企業様はぜひお問合せください。

References

1 ウルトラファインバブルを活用した高速道路維持管理の高度化への取り組み | NEXCO 西日本 企業情報
2 マイクロバブルを利用した環境浄化と食の安全確保
3 ウルトラファインバブルが作物生育に及ぼす影響:栄養・溶存酸素・攪拌条件の違いによる水耕栽培ダイズ幼苗の生育