1982年から続けてきた微生物の基礎研究や医療機関における臨床を経て、独自の腸内フローラ移植(便移植)方法を開発しました。微生物たちとの共存共栄には、無限の可能性があると信じています。
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腸内フローラ移植(糞便微生物移植)当日(1回目)【腸内フローラ移植体験談7】

(体験談1〜6は、記事下部からお読みいただけます)

腸内フローラ移植は、学術的には「糞便微生物移植」だそうです。
どストレートな名前ですね。

移植当日は、あまり気分が優れませんでした。
肉体的には大丈夫でしたが、精神的に。

数日前に家庭でちょっとした事件があり(原因は200%わたしです)、反省とも怒りともつかない気分を抱えていました。
大好きな家族と口もきかず、意固地になっていたのです。

新大阪のスタバでお昼ごはんを食べ(贅沢にも)、クリニックに到着。
問診票は書いてきていたので、それをお渡しし、待合室でしばし待ちます。
完全予約制なので、ほとんど待たずに済みました。

病院での待ち時間って、本当にそれ自体がストレスです。仕方ないんでしょうけど。

まずは問診

まず、院長の植田先生にお話を聞いていただき、東洋医学からの見解なども教えてもらいました。
今の医学部は西洋医学だけではなく、漢方などの勉強もカリキュラムに組まれているのだから、医師を目指すうえで学ぶべき知識は膨大だろうと推察します。尊敬。

そして、臨床検査技師であり、腸内フローラの菌液(これを腸に入れて腸内細菌のバランスを整える)を実際に作っておられる清水さんともお話させていただきました。
まず自分の現状を話したあと、清水さんはこんなふうにおっしゃいました。

「これから、どうなりたいですか?」

この質問に、わたしは「わかりません」としか答えられませんでした。
「死ぬ勇気もないし、なにもかもが悪いようにしか考えられません」

そんなことを言うわたしに、清水さんはにっこり笑って続けます。

「大丈夫ですよ」

それからわたしが希望を持てる言葉も続けてくださいましたが、これはわたしの胸にそっとしまっておきたい。いいですか?(文章にしてしまうと失われてしまうなにかってありませんか?)

処置室へ移動

その後、「処置室」と呼ばれるお部屋へ。横になれるベッドが一台、トイレ、シャワーがあります。

シャワーはこれまでほとんど使われたことはないそうですが、まれに菌液を注腸したあとに漏れてしまう場合があるらしく、そのときに使えるそう。
それにしても、「菌液」ってすごい名前ですよね。なんかいい感じの名前を考えたいです。
もっとこう、ポジティブなイメージの。

「まず、お腹を温めましょう」と清水さんが取り出して来られたのは、何やら四角い石塊のような装置。その装置の前に座ります。

「このONを押すと、お腹が温まります。10秒くらいで自動的に電源が落ちるので、その都度ONを押してください」とのこと。

たしかに、スイッチを押すとお腹がぼわーっと温まります。あ、生理痛のときとかにこれほしい。

でも服を触ると、ぜんぜん熱くない。これはいったいどういう原理や? と思って質問すると、清水さんは
「ゆるーいマイクロ波を出しているんです。電子レンジと原理は同じです。食品は温まるけど、食器は温まらないですよね。これはレンジよりもっとゆるいですけどね」と教えてくださいました。

それでもよくわからなかったので食い下がると、体の電子(?)が帯びるプラスとマイナスが何度も入れ替わることで熱を発するのだそう。

え?

有機物と無機物とか、炭素が原子結合の中心となる場合は有機物とか、懇切丁寧に教えてくださるところに、清水さんの人の良さを感じました。

でも、わたしがアホなせいで結局よくわかりませんでした。ごめんなさい、化学は苦手でした……。

とにかく、そのようにして10分ほどお腹を温めます。
体が温まり、じんわりと汗をかいてきました。

そもそも、どうしてお腹を温めるのか?
あとから知ったことですが、体温が一度上がるだけで腸内細菌が活発になって増殖しやすいそうです。

その後、下着を紙の短パンのようなものに履き替え(おしりに切れ目があるやつ)、尿検査と血圧測定を行ってもらいます。

「尿もまったく問題ありませんでした。血圧も100の70でド正常です」

そうなんです。わたし、どの病院に行っても肉体的には健康と言われることばかりで、余計に自分が情けなくなった経験が何度もあります。
いっそ、なんか見つかってくれればいいのに! わたしが仮病を使っているみたいではないか! と。

まあ、健康なのはよろしいことなので、注腸の説明を聞きます。

そもそも腸内フローラ移植とは、健康な人の腸内細菌を自分の腸に入れることで、腸内細菌のバランスを整えるという方法です。清水さんの方法では、ドナーバンクに在籍するドナーの便を使うことで、最適なバランスを実現しているらしい。

わたしたちの大便の約3分の2が腸内細菌で、残りが食べもののカスや小腸の壁だそうです。
つまり、「健康な人の腸内細菌を入れる」というのは、「人様のうんちを自分の尻に入れる」という解釈もできるわけです。

これだけ聞くとためらう人もいるかもしれないですが、わたしの場合は人生行き止まり状態で「他人のうんちでも、ミミズのゲロでも、治るならなんでも入れてくれ」と思っていたので、まったく気持ち悪いとは思いませんでした。
ちなみにこれまで600名以上移植してきて、拒絶反応などは一例もないそうです。よかった、安心。(2017年6月現在)

いよいよ腸内フローラ移植

ベッドで横になり、おしりに何かが入りました。(いらっしゃーい!)

小さい頃、風邪をひくと座薬をいれたりしましたよね。あんな感じ。
でも全然痛くないし、違和感もそれほどない。子宮頸がんの検診とかものすごく痛かったので(入れる穴は違いますけど)、恐れおののいていたのですが、杞憂に終わりました。

「いま20cmぐらい入ってますよ」

えっ!?

全然わからへん。歩いてたら、知らんあいだに「バカ」って紙を背中に貼られてたときぐらい気づかんかった。

注腸は数分で終了。あっけないくらい簡単に終わりました。

腸内フローラ移植を調べていた時、「内視鏡を入れるから痛い」とか「絶食しなあかん」とか読んで身構えていたのですが、本当になんのストレスもなく終了しました。ここのやり方は、カテーテルによる注腸方式だから痛みがないそうです。
そう言えば、前日の飲酒も直前の飲食もしていましたが、全然問題ありませんでした。

そしてベッドの上で何回か体勢を変えて、腸内細菌を定着させます。

「もう定着してるので、水はいつでも出してもらっていいですよ」とのこと。
なんとも素早い定着。これもここの方法ならではの早さだそうで、なんかもうすごいですね。

ベッドの横の張り紙によると、おならやと思っても水が出てくるから、トイレでしてね、と書いてました。
結局、クリニックを出てから30分ぐらいしてから水が出ました。

着替えて診察室に戻り、清水さんともう一度お話させてもらいました。

このとき実は、「もうこれから先しんどくならないヒント」を教えてもらったんです。
このヒントも、胸にしまっておきたい。隠し事しているわけではないですが、ここに文章で書いても本当の意味では伝わらないと思うから。

とにかくそれは、「いま悪い方向に一直線に走っている思考回路に刺激を与えて、立ち止まったり違う回路に切り替える」ための手っ取り早い方法だそうです。

たしかに、どんな思考法を取り入れようとしてみても、自分の思考回路が一車線の一方通行であれば、なにも入ってこない。
そのヒントでその固まった回路を切り替えられるのかわからないけれど、とにかく信じてトライしてみようと思ってその日は帰りました。

腸内フローラ移植体験談(便微生物移植)
大阪の小さな研究機関「シンバイオシス研究所」のスタッフちひろです。
わたしが人生を楽しめなくなり、腸内フローラ移植をしたお話を、過去の話も交えてお伝えしています。今回は、いよいよ腸内フローラの移植をしてもらった時のお話です。

《これまでのお話》
ご挨拶と自己紹介【腸内フローラ移植体験談1】
アトピーと負けず嫌いが共生していた幼少期【腸内フローラ移植体験談2】
とにかく突き進んでいた努力家の思春期【腸内フローラ移植体験談3】
食べものが合わずスウェーデン留学でうつに【腸内フローラ移植体験談4】
社会不適合感と死にたい気持ち【腸内フローラ移植体験談5】
うつ状態で出会った腸内フローラ【腸内フローラ移植体験談6】

※あくまで移植を受けた個人の感想であり、効果効能を保証するものではございません。

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うつはすぐには治らない、は思い込みだった【腸内フローラ移植体験談8】

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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。 でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。 いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。 ご挨拶と自己紹介も併せてご覧ください。
腸内フローラ移植(便微生物移植)を知っていますか?
わたしたちの腸に暮らす腸内細菌たちと健康との関連が、世界中で次々に明らかになってきています。 「すべての病気は腸から始まる」と言われるように、腸内環境が崩れると病気を引き起こすことが知られています。
健康な人の腸内フローラを移植することで、ふたたび健康を取り戻そうという治療法に期待が高まっています。
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