1982年から続けてきた微生物の基礎研究や医療機関における臨床を経て、独自の腸内フローラ移植(便移植)方法を開発しました。微生物たちとの共存共栄には、無限の可能性があると信じています。
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移植してもらった腸内細菌を大切にするということ ー移植を終えてー【腸内フローラ移植体験談13】

(体験談1〜12は、記事下部からお読みいただけます)

今回、わたしがまた精神的なバランスを大きく崩してしまったのは、「自分の心と身体の声を無視し続けた」結果だと思います。

人間にとって、睡眠、食事、運動のバランスは基本であると、改めて身にしみました。
肉体が弱ると、心が弱くなる。
結果として、肉体のケアに気を払えなくなる。

それが悪循環であることは頭ではわかっているのに、坂道を転がり落ちるように「行けるところまで行ってしまえ」という気分になる。

食事 運動 睡眠

確かに、肉体的・精神的に理想の状態を保ったまま一生を過ごすことなんてできないでしょう。
むしろ、ほとんどの人がそのいずれかに何らかの欠陥をかかえながら懸命に生きておられるのだと思います。

ここぞというときには、多少の無理をしてでも乗り切りたい局面もあるでしょう。
わたしにとって、この半年間はそういう時期でした。

社会不適合者だと思っていた自分が、やっと思い切り仕事をする場を与えてもらえた。
なんとしてでも、ここで役に立ちたい。
その思いだけで、全力疾走し続けていました。(走りすぎて喉の奥、血の味したわ)
身体を壊すほどの価値がある仕事はないかもしれないけれど、妥協も手抜きも一切なしに自分の全力を尽くすことは、自分の仕事を愛する人間として大切な心構えであると思う。

「要はバランス」とはよく言ったもので、その力の使い方が未熟だと、自分の身体を壊すところまで気づかないまま全力でいってしまうんですね。
健康管理も仕事のうち。わかってはいるのにね。

思えば、昨年6月に移植してもらって元気になり、その後も爆走しながら3回の移植をしてもらったものの、せっかくわたしの身体で頑張ろうとしてくれていた菌たちを大事にしていなかったなあ、と反省しています。
「移植してもらって元気になったから、また無茶苦茶がんばろう!」というのは、ある意味で菌たちへの裏切り行為だったのかもしれないですね。

腸内細菌は、薬ではなく生き物です。

本当の意味で心身が休息を求めているとき、自分だけではなく腸内細菌たちにも無理をさせていたということでしょう。(ごめんやで。わたしの身体、ブラック企業やんなぁ)
腸内フローラ移植を「エナジードリンク」みたいに使うのは、限界がありました。

よく妊婦さんに「あなたひとりの身体じゃないんだから」というようなことを言ったりしますが、それはわたしたち全員に言えることなのかもしれません。

最後に、移植期間が終わってしばらく様子を見たあとの体調の変化を記しておきます。

生理にかかわる症状

生理と腸内細菌

わたしは、生理のサイクルで体調が特に変化します。
なので、次に生理が来るまでは移植後の経過を慎重に見ておかないとなあと思っていました。

結果。
生理前のイライラ・もやもやは半分くらいになりましたが、甘いものを食べたい欲求はいつもの7割程度はばっちり出ました。
そう簡単にはいかんか……
むしろ女性として当たり前の、「妊娠前に溜め込む欲求」をなくしてしまおうとすること自体がそもそも間違っているのかもしれない。

身体のだるさ、頭痛、腰痛などの身体症状も、いつもの7割ほどでした。

移植後初めての生理は間もなく訪れると思うので、生理痛、生理中のその他の肉体的な不調については追って記します。


【4月11日 追記】
今回、生理がなかなか来ませんでした。

遅れているのか? と思っていたのですが、実はそうではありませんでした。
ル●●ナという生理日予測アプリを使っているのですが、昨秋〜冬にかけて生理周期が異常に早くなっており、平均の周期予測が21日になっていたために遅れていると感じたようです。
思い込みとは恐ろしいもので、「もうすぐ生理!」と思うと、なんとなくだるい感じになっていたのですが、実は全然生理前じゃなかった。

今回は、29日というド正常な周期で訪れました。
女性は卵巣が2つあるので、そのどちらから排卵されるかなどによって生理前や生理中の感じ方、生理周期が変化することもあるみたいですね。

肝心の生理痛ですが、1日目は小さな腹痛がありましたが、仕事にはまったく差し支えありませんでした。
2日目以降は一切痛みがなく、出張で忙しかったのですが難なくこなせました。

もともと生理痛はないタイプで、ここ5年くらいに生活習慣が荒れたり精神状態が悪いと痛みが出ていたのですが、今回はラクに過ごせて助かりました。

移植期間終了後の肉体的変化

すっきり

まず、食べ物の好みが、調子が良かった頃の状態に戻ってくれました。
甘いものやお菓子、出来合いの惣菜ばかりだったのが、野菜中心の料理を自炊するようになりました。

「我慢している」という感覚はまったくないので、腸内細菌たちが食べるべきものを教えてくれているのかもしれません。
ということは、以前のわたしにとっては甘いものは必要なものやったってことか。(反省の色なし)

料理をする元気が出てきたこと、早めに夕食を済ませて睡眠をたっぷり取るようにしたことで、体調は自然と良くなりました。

食欲は相変わらず旺盛で、加えて運動も始めたので、なんとなくガッチリ体型になってきた気がします。
体重計というものが家に存在しないので、真相は闇の中。

そして、これが実は一番嬉しい変化かもしれないんですが、ほぼ毎日欠かさずうんこが出ます。
「バナナ状の便」なんて自分にとって縁もゆかりもない言葉だと思っていましたし、
当たり前のようになんの努力もなく毎日うんこが出る人に憎しみさえ感じていました。

おそらくこれは、移植と生活習慣の改善のダブルパンチが功を奏したのだと思います。
満点のバナナうんこが出た時は、心も軽やかになります。
うんこって大事ですね。

移植期間終了後の精神的変化

精神的変化

実は、最後の移植が終わってからしばらく、凪のような状態が続いていました。

良く言えば、非常に穏やかで、悟りを開いた僧侶のような感じ。
毎日がとてもラクで、仕事も順調。
いろいろなことに寛容になりました。

ただ、穿った見方をすると、退屈な感じもありました。
「これで人生平穏無事にこなせそう」という、大変贅沢な感情です。
やっぱりわたしのもともとの性格は、ある程度の「波」を求めているのかもなあ、と感じました。

そして、いずれにせよ一旦少しペースダウンをしようと思っています。
自分のペース配分で業務を行う環境を与えていただいたので、長期的に継続できるような仕事の仕方をしよう。

健康も顧みずにがむしゃらに仕事をすることは、決して褒められた行為ではありません。
それは、成果を出せない場合に備えて自分に言い訳を与えているだけなような気もします。

いつも自分に言い聞かせる言葉に、「自分に同情するな」という言葉があります。
自分が作り出すしんどさもある。
別に自分がいなくたって世界は回る、いい意味で。気楽に行こう。

キャパシティは人それぞれです。
自分の心と身体の声に耳を傾けて、できたら休める時にきちんと休む。休む力も能力のうち。

ストレスを感じないようにすることはできないけれど、自分なりのストレス解消の方法を知っておくこと、ストレスをストレスと感じないような思考法、ストレスに対処できる丈夫な肉体を持っておくことも大事。

今回のことは神様からのアドバイスだと思っています。
調子良くなったからといって、もう無理はしないでおこう。
誰かの役に立っていないときでも、自分には価値があるはず。マイペースに生きよう。

誰かの心に届きますように

便移植体験

ここまでお読みくださり、本当にありがとうございました。

「そんなん、お前の体感でしかないじゃないか。エビデンスはないのか」と言われそうですが、正直言って医療の根本は、「患者がよくなったと感じる」ことに肝があると思います。

症状がある立場から言わせてもらうと、「エビデンスとかどうでもいいんで、とにかくいろいろ試してでも良くなりたい」ということなんですよね。
そういう患者さんの気持ち、無視されがち。

エビデンスも大事なんでしょうけど。それは理屈ではわかるけど。(前の記事で「海老で〜す」とか書いたせいで、海老のイメージから離れられない)
念のため、移植前後のフローラバランス検査と、心理状態を客観的に把握するテストもしているので、いずれ論文などに書かれることであろう。

ちなみに、「タダでやってもらっているからそんなに何回もできるんやろう」という突っ込みも頂戴しそうですし、お気持ちもよおーくわかるので、ひと言申し添えておきます。
わたしは、移植の費用はきちんとお支払いしております。
まだ研究段階という性質上高額になってしまいますし、それで二の足を踏んでしまう、あるいは受けられない方もおられます。

でも、何もできないまま人生が過ぎていっていたかもしれないことを思うと、それだけの価値があったと確信しています。
それに、お金を出したほうが「これは何が何でも効いてくれな困る」と自分に暗示もかけられそうですし。
他の病気にしても、入院していずれ高額な医療費がかかり、心身ともに負担がかかることを思えば、と選択してくださる方もおられます。

そして何より、患者のひとりとして皆さんに移植をご案内する立場の人間として、そうするのがフェアであろうとわたしが感じるからです。
つまり自己満足であり、決して、決して会社が経済難だからではありません。(研究ってほんまにお金かかる。やばい。)

不調アピールのような文章を書くのはお恥ずかしい限りですが、同じような不調を抱えながら気合いで我慢している人もいるのではないかと思い、恥を忍んでお目汚ししております。

今、悶々とした思いを抱えていたり、心身の不調の突破口を探している誰かの、前向きな可能性としての言葉をお届けできたなら、心からうれしく思います。

最後になりましたが、この体験談でお伝えしたかったことは2つです。

  • 心身の声を無視して限界を迎える前に、自分と腸内細菌をケアしてほしい
  • 移植してもらった菌たちは、新しい家族なんだから大切にしてほしい

手前味噌ですが、徹底的に調子を崩す前に、3ヶ月に一度でも半年に一度でも、定期的に予防として移植を受けられるのも手だとわたしは思います。
今の世界で、ストレスを感じないなんて、ちょっとむずかしいですから。

あなたにも、暖かい春の風が吹きますように。

2018年4月5日

※あくまで移植を受けた個人の感想であり、効果効能を保証するものではございません。

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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。 でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。 いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。 ご挨拶と自己紹介も併せてご覧ください。
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