腸内フローラ移植(便移植)の菌液写真公開! どれくらいの菌がいる?
はじめに言っておきますけど、今日の記事はたぶん、人によってはお食事中に見ないほうがいいやつです。

わたしはすでに菌にハートを射抜かれてますので、菌液を目にしてもまったく食欲は失われませんけどね。
食欲がモリモリわく、というわけでもありませんが。(そうやとしたらちょっと心配なるわ)
さて、当研究所の腸内フローラ移植は、ご自身の免疫力がびっくりしてしまわないように、濃度を慎重に調整して菌液を作っています。
(参考記事:身体に覚えてもらうために、複数回の腸内フローラ移植(便移植)が必要であること)
そのため、移植の際に菌液を目にされた患者様の中には、「色が薄いなあ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
本当は、濃度を調整しているということはものすごい企業秘密なので、この記事を許可なく公開してしまうことで怒られるかもしれん。
でも、移植を考えておられる患者様の不安をできるだけ払拭したいという精神で書きますので、わたしのクビが飛びそうになったら、読者のみなさんでわたしを守ってください。
もしくは嫁にもらってくれる、とかでもいいですよ。(迷惑極まりないわ)
移植菌液と、精製した菌液の原液写真
早速ですが、以下の左側が実際に移植する菌液、右側が精製直後の原液状態の菌液です。

なあ、これっていわゆる「放送禁止写真」とかじゃないよな?
もしそうやとしたら、断固抗議するわ。
ヌードを描いて、裁判なって、「これは芸術だ!」って言ってる人って、こういう気持ちやってんな。(ちょっとちゃうやろ)
移植濃度は患者様によっても違いますし、ドナーの便の状態によっても違いますので(胆汁の具合とか)、あくまで参考ってことで。
「生食」っていうのは、よく牡蠣とか刺し身とかで「生のまま食べられます」っていう意味で書いてたりしますね。
主婦のみなさんには、なじみのある表記だと思います。
ただ、ここでいう「生食」というのは「生のまま食べられる」という意味ではなく
、「生理食塩水」を指します。
生理食塩水のパックは当然ながら清潔なので、ここに注射器で精製した菌液を入れて、最後に空気を抜きます。
もっと経費的に余裕のある会社になったら、菌液専用のパックを検討します。(でもそんなムダなことする前に移植の値段下げます)
空気を抜くのは、主に大腸に住む菌たちが空気が苦手なので、弱ってしまわないようにするためです。
品質保持に優れた精製方法を採用しているので、この状態で冷蔵保存して、おおよそ1週間は保ちます。
もちろん、添加剤とかを入れているわけじゃないですよ! (参考までに、わたしは無添加とは程遠い生活をしています。現代社会ってタイヘン)
移植をするときは、これを人肌くらいに温めて注入するので、「お腹つめたっ!」とはなりません。
優しさと気遣いにあふれてるでしょ?
アイスクリームを5個一気食いしたときとか、胃のあたり冷たいもんな。
消化器官って、素直。(いたわれ)
移植菌液を顕微鏡でのぞいてみましょう

さて、「こんなに薄くなって、ちゃんと菌はいるの?」という疑問がでてくる頃かもしれません。
わたしとしては、「こんなに小さなビスコ1袋に、ほんまに5億個も乳酸菌入ってるん?」と言いたくなります。
でも入ってるんでしょう。
菌は、数マイクロメートルの大きさなんですから。
0.001ミリメートル、なんですから。
話変わりますけど、わたし、スモールライトとビッグライトのどっちを自分に当ててほしいかと言われたら、間違いなくスモールライトですね。
小さいと移動大変やけど、飛行機に乗ればいいわけやし。タダで。
食費もかからんし、目立たんし、最高じゃない?
まいにちお腹いっぱい、スイカ食べるねん。
話変わりついでに、「移植菌液に含まれる数と同じだけの菌をビスコで摂るには、どれくらいビスコ食べたらいいんやろう?」みたいな計算をしたことがあります。
ゼロがいっぱいになりすぎて電卓の限界を迎えたのと、「フローラバランス整う前にビスコで太るがな」ってなって、計算やめたけど。(いまだにビスコは大好きです)
話、戻します。(ここ、こんなに長くなる予定じゃなかった)
早速、一滴垂らしてみましょう。

そして、薄いガラスのようなやつをかぶせます。

この名前何やったっけ?
めっちゃ懐かしいですね。
理科でやったわ。
顕微鏡関連の名前、テスト前だけ覚えてたわ。
こんな感じ。

そして、顕微鏡でのぞいてみると……

これ、実際に見てみると、「めっちゃ動いてるー! 生きてるー!」ってなるんですが、このときに菌が動くのは「ブラウン運動」と呼ばれる現象らしく、死んでても生きてても動くみたいです。
動画もあるんですが、あまりにもリアルなのでやめときましょうか。(菌液の写真さんざん載せといて今さら何を)
いかがでしょう。
これだけの菌たちが、移植をされた皆さんの体内に入り、どんどん増殖して活躍してくれるんです。
いろいろ種類がいて、かわいいですよね。
個人的な見解を言わせてもらうと、AKBよりももっと個性豊かで、かわいらしい集団やと思います。(いま、すごい敵を作ったで)
こんな菌たちが仲間になってくれるんやぁ、という気持ちで、温かく迎え入れてやってくださると、わたしたちとしても安心してこの子たちを旅に出せます。
よろしくお願いいたします。

この記事を書いた人

- 研究員・広報(菌作家)
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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。
でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。
目に見えないものたちの力を感じる日々です。
いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。
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《特許出願中》
腸内フローラ移植
腸内フローラを整える有効な方法として「腸内フローラ移植(便移植、FMT)」が注目されています。
シンバイオシス研究所では、独自の移植菌液を開発し、移植の奏効率を高めることを目指しています。(特許出願中)