1982年から続けてきた微生物の基礎研究や医療機関における臨床を経て、独自の腸内フローラ移植(便移植)方法を開発しました。微生物たちとの共存共栄には、無限の可能性があると信じています。
シンバイオシス研究所 -微生物との共存共栄-
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腸内フローラ移植(便移植)で使う便のドナーはどんな人か?

ドナー

腸内フローラ移植は、正式には「糞便微生物移植」と呼ばれます。
その名が表すように、他人の便を自分の大腸に移植する治療法です。

新しい治療法であること、そしてその衝撃の方法から、二の足を踏む人も少なくないでしょう。

でも、自分の中に入ってくる便がどんな人の便かを知れば、ちょっと抵抗も和らぐのではないでしょうか。(逆にリアルに想像してしまう?)

シンバイオシス研究所では、専用のフローラバンクを立ち上げるほど、ドナーにものすごくこだわっています。
今日は、ドナーのお話を少し。

外は暑いですし、ここには想像上のアイスクリームもご用意しておりますので、まあゆっくりしていってください。

一般的な方法におけるドナー

現在、日本で臨床治験が行われている「糞便微生物移植」においては、配偶者または二親等以内の家族にドナーを限定しています。(現在、一部の大学病院は規制を緩和)

これは、科学的な理由ではなく、倫理的な配慮のためです。

便を元に作った菌液を体内に入れるのに、どこの誰かわからないよりも、家族の便のほうが安心という心理的な配慮がそこにはあります。

また、一般的な方法としての腸内フローラ移植は「健康な方から提供された便であれば、誰のものでもいい」という考え方に基いています。

「シンバイオシス研究所」のフローラバンク

一方、当研究所では、あえて第三者の「健康な便」を使っています。

患者と近しい環境にいる二親等以内の親族よりも、生活環境も遺伝子もまったく違うドナーの便を使用することで、腸内フローラをより最適な状態に持っていけると考えているからです。
さらに、この方のこの症状にはこの菌バランスがいいのではないか、ということを日夜試みています。

そのため、当研究所では健康なドナーが多数在籍する「フローラバンク」を運営しています。
そのドナーというのは、2017年7月時点では多くがアスリートです。

アスリートの方たちは、日々ストイックな食生活を心がけ、強靭なメンタルを持っている方が多いのです。
彼らの腸内細菌は、心身ともに健康な状態に導いてくれる菌が多いと言えます。

さらに、実際に移植する腸内フローラ菌液は、複数人分のドナーの便をブレンドしています。
一人の腸内フローラだけでは足りない菌を加えることで、腸内細菌のいいところ取りをしているのです。

倫理的な配慮よりも「結果」にこだわった結果、当研究所ではこのような方法を採用しています。

ドナーの選定基準

フローラ移植選ぶ

ドナーのほとんどがアスリート、と言いましたが、アスリートであれば誰でもドナーになれるわけではありません。

まず、移植前にドナーには厳しい検査を受けてもらっています。

血液、尿、便などの基本的な検査をはじめ、感染症、悪性腫瘍、その他一般的な成人病などに罹患していないことを徹底的に確認します。
また、例えば前立腺がんには女性のドナーを選ぶなど、そもそも病気にかかりようがないドナーを選ぶこともあります。

ドナーには、原則として17歳以上40歳以下という年齢制限も設けています。
この理由は、「胸腺」という免疫力をリンパ球に教育している臓器と関係があります。

喉のちょっと下ぐらいに、ハートを逆にしたみたいな胸腺があり、そこでリンパ球たちに免疫の教育をしてくれているんですね。

ちっちゃいときは風邪とかすぐひくのに、高校生ぐらいになったら丈夫になってきますよね。
あれは、自分の体が免疫のお勉強を終えるのが17歳から18歳ぐらいだからだそうです。

そう言えば、わたしは小さいときにそれはそれはひどいアトピー性皮膚炎だったんですが、成長につれてだんだんマシになり、高校生になった頃に治まりました。

思えば、体の免疫機能がちゃんと働いてくれるようになったからだったんですね。(どうやろ。わからん。予想です)

そして、40歳を超えると免疫機能というのはだんだん落ちてきます。
ドナーになれるのは、免疫がしっかり働いている17歳から40歳までが最適なのです。

【2018.9.14追記】
現在では、ドナーの年齢制限を解除し、その職業や顔ぶれも様々です。
「健康」という定義はなにも、「若いアスリート」だけではないと気づき、ぐっと幅を広げることで、患者様の症状、年齢や性別に細かく対応できるようになりました。

じゃあ、免疫系は腸内細菌にどんな影響を及ぼしているのか?
また、その逆は?

これについては、少し込み入った話になりそうなので、また今度。
キーワードは、「制御性T細胞」と「IgA抗体」です。

【免疫シリーズ目次】
免疫力が大切っていうけど、そもそも何なん?【腸と免疫シリーズ1】
免疫の異常と疾患のものすごく深い関係【腸と免疫シリーズ2】
四段構えで身体を守ったり保ったり【腸と免疫シリーズ3】
自然免疫でパトロールして、獲得免疫でいざ出陣【腸と免疫シリーズ4】
男子のケンカ(細胞性免疫)と女子のケンカ(液性免疫)【腸と免疫シリーズ5】
免疫の要、腸管免疫のしくみ【腸と免疫シリーズ6】
《もっと詳しい》免疫の要、腸管免疫のしくみ【腸と免疫シリーズ7】
不定愁訴の原因は「経口免疫寛容」にあるかもしれん【腸と免疫シリーズ8】
不妊と妊娠を隔てている一因は、Tregと腸内細菌のコンビ愛である【腸と免疫シリーズ9】

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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。 でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。 いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。 ご挨拶と自己紹介も併せてご覧ください。
腸内フローラ移植(便微生物移植)を知っていますか?
わたしたちの腸に暮らす腸内細菌たちと健康との関連が、世界中で次々に明らかになってきています。 「すべての病気は腸から始まる」と言われるように、腸内環境が崩れると病気を引き起こすことが知られています。
健康な人の腸内フローラを移植することで、ふたたび健康を取り戻そうという治療法に期待が高まっています。
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