1982年から続けてきた微生物の基礎研究や医療機関における臨床を経て、独自の腸内フローラ移植(便移植)方法を開発しました。微生物たちとの共存共栄には、無限の可能性があると信じています。
シンバイオシス研究所 -微生物との共存共栄-
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【後編】腸内フローラ移植で治りやすい「うつ」のタイプがあるんじゃないかと思う

最近、腰を据えてしっかり下調べをし、長い記事を書くことが多くなってきました。
以前のように「何もかもが初めて聞くこと」ではなくなってきて、少し深い考察を踏まえた上でお伝えしたいなと思うことが増えてきたからです。

なにより、今回のように【前編】【後編】に分けることで、2回更新したことになるのがオイシイ。(1回集中モードになったあとはかなり疲れるんで)

近頃、「うつ」は珍しい病気ではなくなりました。
今までの人生で、「あれ、ちょっと最近気分が落ち込んでる。うつっぽいかも」という瞬間がまったくありませんでした、という方のほうが珍しいくらいではないでしょうか。

極端な話をすると、帰りに散髪行こか、ぐらいのノリで心療内科に行けてしまう時代です。
もちろん本人にとっては辛いんですが、「病気」と「打たれ弱さ」が混同されています。

学校の先生も、近所のおばさんも、上司も、みんな優しい時代ですもんね。
小さい頃、朝の5時に起きてキャンプ行く前に車の前で大騒ぎしてて、隣のおばちゃんに「うるさい!」って怒鳴られたの今でも覚えてる。
すぐにおじいちゃんに、「なあ、裏のおばちゃんに怒鳴られた」ってチクりました。(どうしようもないガキやな)

前回は、うつに大きく関わる神経伝達物質のお話や、原因別のうつについてお話しました。

https://shinbiosis.com/fmt/depression-6/

原因別のうつと、その治療法

前回は、仮に3つのパターンにうつを分類してみました。
今日は、3つを軽くおさらいしながら、そのそれぞれに対してどういう治療アプローチが効果的なのか、考えていきます。(あくまで仮説ですので、ご了承を)

A:心因性のうつ

大きなストレス要因があり、そのストレスが適応範囲を超えた結果、うつ状態が引き起こされてしまいます。ストレスによる気分の落ち込みは誰にでも起こりうることですが、うつ状態が長期間続いてしまうと、本人の社会生活にも支障をきたします。

心因性うつ
前回の記事の冒頭でわたしがウダウダ言っていた「人生の意味に悩む系」のうつをこじらせると、これにあたります。
他にも、会社でパワハラを受けているだとか、嫁姑問題に悩んでいるだとか。

この場合、状態にもよりますが、本人の考え方や捉え方を少し修正する必要があります。
「深く考えるのはいいと思うけど、とりあえずラーメンのびるし、後にしよっと」と思える思考回路が手に入れば、こっちのもんです。

個人的に思うのは、このタイプの方は「めちゃくちゃ真面目な人」か、「めちゃくちゃプライド高い人」のどちらかにあたるのではないかということ。
そしてそのどちらにも当てはまるのが、「なかなか考え方を変えられない」ではないでしょうか。

心理療法のひとつで、「認知行動療法」というのがあります。
この治療法は、心因性のうつの方に効果を発揮しやすいのではないかと思います。

自分で自分の首を締めてしまっているので、外から少しずつ一緒に鎖を解いてやる作業が必要です。

B:内因性のうつ

原因不明のうつであり、一番やっかいとも言えます。ある程度までは「個性」とも捉えられますが、原因もわからず対処法もわからずに気分が落ち込むのは本人にとってもつらいもの。冬に特に調子を崩すなどの季節性の場合もあります。

内因性のうつ
ここ10年ほどのあいだに「うつ」が世界的に急増していますが、それは「本当はうつではないのに、うつと診断されている」というケースが少なくないからです。

そこには、ビジネス的な事情があるのかもしれません。
あるいは、生きづらい世の中の逃げ道として、「病気の診断」が用意されているのかもしれません。

でもそのおかげで、「本物のうつ」に悩まされている人が誤解を受けやすくなったのも事実です。
原因がまったくわからず、理解もされず、ただただ苦しんでいる方(内因性のうつ)が、例えば心因性のうつを克服した方に「物事は捉えようだから」なんてアドバイスをもらっても、何の役にも立ちません。

ちなみに、今よく使われているセロトニンの生成を調節する抗うつ薬が一番力を発揮しやすいのは、この「内因性のうつ」だという説もあります。

C:身体性のうつ

ホルモンバランスの変化、免疫系の疾患、命にかかわる大きな病気などでもうつ状態になることがあります。
他にも、薬の副作用や姿勢の悪さ、繰り返す便秘や下痢でうつを引き起こす可能性も考えられます。
このように、体の状態が悪いと心のバランスも崩れやすくなってしまいます。

身体性のうつ

この一年で、様々な疾患をお持ちの方とお会いしてきました。
そして感じたのは、「体がしんどいと、心もしんどい」ということ。

まれに、体は悲鳴を上げているはずなのに、いつもニコニコ笑顔を絶やさない、釈迦のような方もおられます。
ですが、本当に動けないほど弱っているときは、微笑むことさえとても難しいことになってしまいかねません。

このように、「二次災害」的に引き起こされるのが、身体性のうつではないかと思います。

腸内フローラ移植と「うつ」の相性

腸内フローラ移植と「うつ」

よーくよーく今までの患者さんのことを思い浮かべてみると、回数の差はあれど「身体性のうつ」は比較的効果を上げているように感じます。(あくまで印象です)
ホルモンバランスの崩れ、便秘や下痢、姿勢の悪さなどで体のスムーズな流れが阻害されていて(ホースが曲がっているみたいに)、
それをまた流れるようにすることで、体に十分にお水が行き渡るように症状が改善するようです。

心因性のうつ」に関しては、本人の本来の性格や、移植のタイミングがかなり結果を左右するような気がします。
もし、うつ症状に引っ張られて生活習慣がむちゃくちゃになっていなければ、腸内フローラ自体はあまり崩れていない人もいます。
でもそれを活かせていない。

このタイプの方は、「プラセボ効果をいかに最大限引き出せるか」が鍵を握ります。
「移植をしたら、治るチャンスをもらえるんや! 頑張ろう!」といいイメージを持つことで、結果的に腸内細菌たちが機嫌よく働いてくれることもあるようです、どうやら。
彼ら、間違いなく意志を持っていますので。

最後に、実はもっとも手を焼くのが「内因性のうつ」です。
身体の臓器同士、組織同士は本来通信をしているものなんですが、この通信手段がすべてシャットアウトされてしまい、心身の統率が取れない状態。

ばらばらになってしまった体のジグソーパズルのピースを、ひとつひとつ元に戻していってやると、あるとき身体の電気回路にまた電流が走るようになります。

この瞬間の体感は、「あ、今日違う!」とわかる方もいらっしゃれば、「あれ、そういえばここのところ症状が出てないわ」と後から気づくパターンもあるみたいです。

移植期間中はなかなかわかってもらえずに途中で断念される方もいらっしゃるんですが、ばらばらになった身体のパーツは、最後の一つがはまってくれるまで電気が通らないんです。スイッチひとつで消える電気と一緒です。

「うつ」と関わりの深い腸内細菌

腸内フローラ

「うつ」そのものがよくわかっていないところがあるので、うつに対する腸内フローラ移植もまだまだ手探りです。
下記の論文では、乳酸菌を増やすことがうつに効果的というマウス実験が報告されています。

Microbiota alteration is associated with the development of stress-induced despair behavior
Jonathan Kipnis & Alban Gaultier 07 March 2017

マウスにとっての「うつ」って何やねんという話はおいておいて、確かに乳酸菌群が少ない方にうつ傾向があるのは事実かもしれません。

ただ、それはあくまで「全体のバランスが崩れたから、比率として乳酸菌が少なく見えている」という解釈のほうが正しいのではないかと思います。

患者さんにもよりますが、わたしたちが腸内フローラ移植の菌液をつくるとき、「乳酸菌をいかに増やすか」よりも、「免疫系・メンタル系を司る菌たちのバランスをいかに改善するか」に注力することが多いです。

さて、ここまで長々とお読みいただいて、「僕の腸内フローラって、いったいどうなってるんやろう」と気になってきたんじゃないですか?
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