土に還るものづくり、その先にあるもの【シンバイオシスのビジョン】

ちひろです。
多くの会社には、ビジョンというものがあります。
会社が目指すべき方向性。達成したい目標。
理念とビジョンは同じような意味合いで使われることもありますが、わたしはおおむね下記のように理解しています。
我々、旅人やとしますね。会社が旅やとします。
「この旅のテーマは自由。スケジュールに縛られず、心の赴くままに行こう」みたいな基本ポリシー的なやつが理念。
「この旅で10キロ痩せよう。そのために半年以内に5キロ痩せよう」
「この旅で彼氏つくろう」みたいやなつがビジョン。(動機不純やな)
「今日中に谷町4丁目の交差点まで行って、明日は天満橋まで行こう。宿も予約しよ」ってのもビジョン。(めっちゃスケジュールに縛られてるで。しかも一日の工程短っ!)
ちなみに、わたしの個人的なビジョンは「毎日欠かさずウンコをする」です。これだけで心身ともにアガります。
と、ここまで書いたところで一時間前に淹れた紅茶のティーバッグをそのままにしていたことを思い出した…
にがい…
ビジョンは「一つのことが終わるまで次のことを始めない」に変えよかな。でもウンコも捨てがたい…
目次
シンバイオシスのビジョン
上記でわたしが2つのビジョンで揺れたように、ビジョンって複数設定したくなることもあるんですよね。
シンバイオシスもそうでした。
制定当時のスタッフ全員で案を出し合った結果、4人しかいないのに3つまでしか絞れなくて、ビジョンが3つになりました。

ひとつずつ、紹介させてください。
目に見えないものたちの力で新しい常識をつくる

ヒトの目には見えないけれど、たしかに存在するものたち。
そういう生命や物質が、この世には存在します。
わたしたちが協力を仰いでいるのは、細菌やウイルスなどの微生物。
そして水の中に気泡を発生させたウルトラファインバブル(UFB)。
それぞれの機能や可能性については、すでに世界各国で研究が進んでいます。
特に細菌、中でも腸内細菌の近年の注目度は計り知れません。
腸内細菌とウルトラファインバブル(UFB)、わたしたちはその2つが組み合わさることで相乗効果を産むと信じ、研究を進めています。
「あとは若い人たちに任せて〜」というお見合いフレーズのように、
「あとは小さい人たちに任せて〜」というスタンスです。
量子力学などの最先端の物理学のおかげで、これまでの「目に見えないもの・観察できないことは信じない」という常識が覆りました。
わたしたちも、目に見えないものたちの力で新しい常識を作っていく集団でありたいと思い、活動しています。
土に還るものだけでモノづくりをする

人間が作っているもの、使っているもの、捨てているものの中で、「土に還らない」ものの占める割合はどれくらいあるのでしょうか。
人間も地球の生き物である以上、本来は土に還らないものを排出し続けている時点でおかしな話です。
嘘かほんとか、現代の人たちは防腐剤などの添加物がたくさん入った食品を日常的に摂取しすぎて、亡くなった後に死体が腐りにくいそうです。(ほんまやったら怖すぎ)
地球上の物質が分子レベルではすべて使いまわしだという前提に立てば、わたしたちのやっていることは「取り返しのつかない不可逆反応を起こしている」といえるのではないでしょうか。
そう思うと、混乱に似た罪悪感を覚えます。
でも、我々の世代もその祖先たちも、悪いことをしようと思ってこうしてきたわけではありません。
「苦しい暮らしを楽にしよう」
「誰かを喜ばせよう」
「子どもたちに良い世界をつくろう」
そういった、おそらくはプラスのエネルギーによる営みのほうが多かったのではないでしょうか。
だからこそ今、前の世代を責めたり、人類代表のような顔をして罪悪感を覚えるのではなく、「じゃあこれから何ができるのか」を考えなければいけないんです。
今さら生物たちの環の中に入れてくれなんて、都合がいいかもしれない。
今までやってきたことのマイナス面をチャラにすることなんてきっとできない。
それでも。
「土に還るものだけでモノづくりをする」
これがわたしたちの出した現時点での答えであり、腸内細菌を始めとした微生物たちも、水と気体だけで作ることのできるウルトラファインバブル(UFB)(弊社ブランド名:NanoGAS™)も、そのためのパートナーです。
彼らは淡々と存在しています。
人間に仕返ししてやろうなんて考えてはいません。
だから、わたしたちも彼らの存在する自然界に対して、その循環に対して誠実でありたい。
そんな想いでモノづくりをしています。
そういえば先日、うちの職人に「NanoGAS™ウォーターのプラントってステンレスですよね。あれって土に埋めたら、ふかふかの土に戻るんですか? 戻らないですよね。土に還るものだけでモノづくりじゃないですね…」って言って困らせてしまった。
食品衛生法とかの関係で今はステンレスにせざるを得ないらしんですが、ゆくゆく大阪城の石垣の石をもらってプラントつくるって言ってたんで楽しみにしています。
それにしてもモノづくりしてる人ってかっこいいですよね。
わたしはそんな彼(彼ら)の功績を文章でお伝えするお役目ですが、自分もモノづくりできたらなぁって思う時ある。
で、このあいだの会議で「土に還るものだけで新商品作りましょう!」って提案しました。
社長に「例えば?」って言われて、
「エコバッグとか…」としか言えなかった自分が悔しい。
「生まれてきてよかった」と思える世界をつくる

「生まれてきてよかった」
あなたは胸を張ってこう言えますか?
わたしはごく最近になるまで、そう言えませんでした。
このビジョンをつくったときも、スタッフの一人に「ちひろさん絶対これ共感してないよね」って言われたほど、人間に生まれたことや、人間社会のありよう、生き続けることに対してあまり前向きではありませんでした。(それを社内で公言しているというのもなかなか)
でも近ごろ、少し考えが変わりました。
なにも「人間というものの存在を信じてみたくなった」とかそんな大それたことではありません。
いろんなことを、もっと小さな枠組みで捉えてみようという気になったんです。
世界を見渡せば、戦争があり、環境問題があり、貧困問題があり、しょうもない政治汚職事件がある。
サラリーマン的働き方のできない人に対して冷たい社会があり、不公平な人事評価があり、医療の発達とは裏腹に病気の種類はどんどん増える。
「こんな世界、もし選べるなら生まれてきたくなんてなかった」
そう考える人がいてもおかしくはないかもしれない。
でも、あくまで自分の場合ですけど、思ったんです。
「それって、ものごとのマイナスの面しか見えていないし、見ようともしていない。わたしは結論ありきで、それを世の中のせいにしていたんや」と。
そしてそれ以前に思ったんです。
「っていうか、自分何様なん? 神様なん? 人類とか世界とか政治の仕組みとか、君の存在そのものと一体どれほどの関係が?」と。
それで周りを見ると、個人レベルではいい人っていっぱいいるんですよね。
美しい花も、すかーんと晴れた青空も、冷えたスイカも、風に乗ってくる初夏のにおいも、毎年ちゃんとある。
「ああ、ここってええ場所やなぁ」と思うタイミングもあるわけです、もちろん。
きっとわたしは「生まれてきてよかった」を大げさに考えすぎていたんだろう。
だからこれからは、そんなふうに思える瞬間が少しでも多くなるような(自分の周りの)世界をつくるために、自分ができることを小さく小さく確実にやっていけばいい。
なんかめっちゃ恥ずかしいセリフですけど、そんなふうに思うわけです。
というか、この記事なんかめっちゃ「個人的な所感」みたいになってしまいましたけど、
いちおう会社としてのビジョンなんでね!
こんなことを会社の会議で話し合ったりする会社です。
前回のミーティングは、みんなの夢をマインドマップで書く会でした。
これからもシンバイオシスをよろしくおねがいします。
この記事を書いた人

- 研究員・広報(菌作家)
-
自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。
でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。
目に見えないものたちの力を感じる日々です。
いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。
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《特許出願中》
腸内フローラ移植
腸内フローラを整える有効な方法として「腸内フローラ移植(便移植、FMT)」が注目されています。
シンバイオシス研究所では、独自の移植菌液を開発し、移植の奏効率を高めることを目指しています。(特許出願中)