1982年から続けてきた微生物の基礎研究や医療機関における臨床を経て、独自の腸内フローラ移植(便移植)方法を開発しました。微生物たちとの共存共栄には、無限の可能性があると信じています。
シンバイオシス研究所 -微生物との共存共栄-
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受容者と理解者の存在。病気の原因は受け皿のなさではないか。

愛してくれる

今日はあんまり腸内細菌関係ないんです、すいません。
やけにヘビーなタイトルですが、内容はそうでもないと思うんで、スイカでも食べながら読んでください。

お盆です。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

我が家は特に帰省やそれに近しいイベントもなく、
独身なので夫の家に行くとかもなく、
子どももいないので夏休みとかの概念もなく、
おばあちゃんのお墓は家から5分やし、
個人的に友達と遊ぶ約束があるわけでもないし、
どこに行っても混んでそうやし、

ちょっと仕事して、あとは家でいつもどおり本を読んで過ごそうと思います。(君の人生、それでええんか?)

さて、今日はお休みということもあり、少し一般的な話をしてみようと思います。

家族と理解者の違い

理解者

家族とそれなりに仲がいいというのは、幸運なことだと思います。

家族に愛されていて、自分も愛していて、一緒にいることが当たり前で。
たとえ離れて暮らしていたとしても、なんだかんだでやっぱり大切な存在です。

自分がひどいうつ症状に悩んでいたとき、妹に対して「こんなお姉ちゃんで嫌やった?」と聞いたことがあります。

すると妹は、「お姉ちゃんはお姉ちゃんやから、嫌とかない」と言いました。

その時は意味がわからず、「もしお姉ちゃんじゃなかったら、こんな奴と話したくないよな?」と再び問いかけると(この時点でだいぶウザいですよね)、

妹は、「お姉ちゃん、血の繋がりは最大の’I love you’やで」と言ってニンマリ笑いました。

「自分はこの世界に必要とされていない、孤独で誰にも愛されていない、死んだほうが世のためになるような人間なんやわ」
と思い込んでいたので、この言葉にはすごく救われました。

妹、たぶん覚えてないけど。

わたしのように、天使の妹に恵まれるケースは残念ながらあまりないと思いますけど(おい)、
家族というのは、それこそ「健やかなるときも病めるときも」、
自分を受け入れ、利害関係なしに愛してくれるほとんど世界で唯一の存在だと思います。

でも、どれだけ受け入れて愛してくれても、寂しさが消えてくれないことがあります。
それは、「本当に理解し、共感してくれているか」というところだと思います。

わたしの場合、それは村上春樹の小説でした。
ああ、こういう考えの人がいるなら、まだ死ななくてもいいか。と思えました。

そしてこれが一番厳しい現実かもしれないんですが、
社会というのは残念ながら、愛してくれるわけでもなく、共感してくれるわけでもなく、
「役に立つ」人間しか受け入れてくれないみたいなんです。

受容と理解の両方が欠けることでもたらされること

オウム真理教

先日、『約束された場所で/村上春樹』を読み返していて、いろいろと思うところがありました。

この本は、地下鉄サリン事件のあとに村上春樹がオウム真理教の信者や元信者にインタビューをした本です。
※死刑囚へのインタビューではありません

7月に地下鉄サリン事件の死刑囚たちへの死刑が執行されました。
いろいろと見方はありますが、この本は野次馬的な視点ではなく、「オウムはわたしたちから遠く隔たった存在ではない」と教えてくれる内容です。

ここで、病気と宗教の関係を考えさせられる記述がいくつかありました。村上春樹氏と、臨床心理家の河合隼雄先生の対談です。

インタビューの中にオウムに入ってちょっとやっているうちに身体の調子がぱっと良くなったという人がいるでしょう。あれ、僕はようわかるんです。僕らのとこにもそういう人が訪ねてこられます。で、合って話していてこう思うんです。こういう人はたとえばオウムみたいなところに行ったらいっぺんでぱっととれるやろなと。
(中略)
でも中には「先生とこ来てもちょっとも治らへん。どこそこ行ったら、こんなんすぐに治るそうです」と言う人もいます。
僕は「それはなあ、なるべくなら行かんほうがええと思うけど、どうしても行きたいんやったら行ってください。そのかわりいつでも帰ってきてくださいね」と言います。それで、そこに行ったらぱあっと症状は治るんです。
治るけど、それからが大変です。で、無茶苦茶になってまた帰ってきます。でもいっぺんそういうのを経験していますから、「まあ、ゆっくり行きまひょか」と言うて、やりなおします。『約束された場所で/村上春樹』301ページ

これは、オウム真理教という場所が、ある意味で「ひとつの箱」の中にあるから、有効に働くのだと二人は言います。

また、東大出身者をはじめ多くのエリートたちが入信したことでも有名なオウム真理教ですが、
サリン事件の実行犯のひとりでもあり、「患者思いの熱心で優秀な外科医」である人物についても記述があります。

彼はそのような(オウムの提示する)理想郷に身を投じ、現世の垢にまみれることなく厳しい修行を続けながら、とことん納得のいく医療を実践し、ひとりでも多くの患者を幸福にすることを夢見ていたのだろう。
(中略)
このようなイノセントな言説がどれくらい激しく現実と乖離しているかということは、一歩身を引いて考えればあまりにも自明である。『約束された場所で/村上春樹』328ページ

本を読めばわかるのですが、オウム真理教の信者たちというのは、非常に純粋で、真面目です。
そして、一見して言っていることが間違っているようには聞こえない。

信者=実行犯とすることはできないけれど、おそらくわたしたちと信者、あるいはわたしたちと実行犯とのあいだに挟まっている薄い一枚の紙は、
先述した「受容者」であり、「愛情をくれる人」であり、「理解者」で「共感者」の存在の有無なのだと思う。

おそらく、彼らにとって「オウム真理教」はその全部の役割を果たしてくれたんでしょう。

受容だけでも、理解だけでも足りないかもしれない。
でもそのどちらかだけでもあれば、人はなんとか踏ん張れる。

愛してくれる受容者と、理解し共感してくれる人の両方を持つことのできる人は、本当に幸運です。

悪を抱えて生きること

悪を抱えて生きる

『約束された場所で』の巻末に収録されている村上春樹氏と河合隼雄氏のインタビューの題名は、「悪を抱えて生きる」です。
自分の中で何が正しいかわからなくなったとき、いつもこれを読みます。

興味のある方は読んでいただければと思うのですが、かいつまんで言いますと、こういうことになります。

・オウムの理想郷のようにあまりにも純粋だと、外に敵を作るようになる
・さもなければ、内部でものすごい紛争が起こり、組織が崩壊する
・国、家族、そして自分自身でさえ、ある程度の悪をその中に抱えていなくてはならない

この内容がストンと腑に落ちると、
「こんなことを考えて自分は性格が悪いんじゃないか」と思っていたことが、むしろ自分にとってヘルシーなことだったんだと気づけます。

「必要悪」と言ってしまうと陳腐な表現になってしまいますが。

医療は完璧ではなく、医者は魔法使いではない

魔法使い

少し医療の話に移ります。

身体に不調があるにせよ、心に不調があるにせよ(この両者は切り離せないですが)、
わたしたちには「医療に頼る」という選択肢があります。

医療現場で頼りになるのは、自分よりも何倍も知識と経験を持ったお医者さん。

優しく受け入れてくれて、自分の知らないことをいろいろ教えてくれるから、わたしたちは「お医者さんが全部治してくれるんだ」と思いがちです。

でも甘えたさんには少し厳しいように聞こえるかもしれませんが、病気は自分で治るしかないんです。
医療従事者には、お手伝いをすることしかできません。

病気は、自分自身の普段抱えている「悪」が何らかの関係でバランスを崩し、表に出てきている状態だと思います。
それを理解し、受け入れるだけの器があるのかどうか?

そういうことを、病気に試されているんだと思います。

なんか、こんなに真面目に文章を書くのって久しぶりなので、変な気持ちになってきました。

……ウンコ!!!!!!(大真面目にウンコを研究しています)

ていうか今気づいたんですけど、去年の暮れにほぼ同じ内容でブログ書いてるわ。
わたしって、成長してないんかな。

いや、それだけこの本の影響がすごいんやわ。

それではみなさん、Have a nice 盆!

その他もろもろに入れられてしまう病気と、悪を抱えて生きること

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自分の目で見えて、自分の手で触れられるものしか信じてきませんでした。 でも、目には見えないほど小さな微生物たちがこの世界には存在していて、彼らがわたしたちの毎日を守ってくれているのだと知りました。 いくつになっても世界は謎で満ちていて、ふたを開けると次は何が出てくるんだろう、とわくわくしながら暮らしています。 ご挨拶と自己紹介も併せてご覧ください。
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