シンバイオシス研究所は腸内フローラ移植(便移植)の研究開発機関です。腸内フローラ移植臨床研究会の専属研究機関として、全国の医療機関と連携しています。
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【特許出願中】ウルトラファインバブル水を使用した移植菌液

一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会で使用する移植菌液には、当研究所が技術指導を行う、目に見えない微細な泡を含んだウルトラファインバブル水を使用しています。
ウルトラファインバブルの特性を利用することで、本来ならIgA(免疫グロブリンA)等の自己免疫機能に阻まれてうまく住み着くことのできないとされていた他人由来の腸内細菌を効果的に移植することを期待しています。

ウルトラファインバブルと微生物の出会い

●電荷の差を利用して腸内細菌の住処を増やし、腸粘液層へ菌の引き込みを促す
●腸内と菌液の酸化還元電位を近づける
●菌の周りに微細な泡で緩やかな壁を形成し、菌液の品質維持期間を延長する

詳しくはページ下部をご覧ください。

特許出願情報
■特願2018-036062
国際出願番号 PCT/JP2019/7574
国際公開番号 WO2019/168034 A1

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ウルトラファインバブル3つの特性・効果

微細な泡の持つ特性は、医療分野でも注目を集めています。

移植菌液へ期待する4つの効果

洗浄効果や酸化還元電位の低さを移植に活用しています。

専用プラントにて開発

腸内フローラ移植に適したウルトラファインバブル水を開発・製造しています。

ウルトラファインバブルの3つの特性・効果

ウルトラファインバブルは農業、漁業、医療など様々な産業分野で応用されています。
1μm(マイクロメートル)に満たないナノサイズ以下の泡を液体中に発生させ、中に閉じ込める気体を変化させることで、食品の保存や洗浄力の向上などに高い効果があることが確認されています。

特性・効果1:目に見えないほど小さな泡

1m(メートル)は1nm(ナノメートル)の10億倍です。
その大きさの違いは、地球の直径を1mだとすると、1nmは1円玉の直径の半分程度しかありません。

バブル風呂などでよく見かける白濁した泡はマイクロバブルと呼ばれます。さらに小さなウルトラファインバブルとなると、目には見えずに液体は無色透明になります。

特性・効果2:液体中に長期間存在できる

シャンパンの泡などのミリバブルは、浮力によって短時間のうちにどんどん大気中に逃げてしまいます。
白濁したマイクロバブルは、水の中をゆっくりと浮上し、同じように大気中に消えていきます。

一方で、1μm(マイクロメートル)未満のウルトラファインバブルは、浮力が働きません。正確に言うと、浮力と粘性力が釣り合った状態になるため、長期間泡が消えることなく液体中に存在できます。

泡の大きさにもよりますが、数週間から数ヶ月、長いもので2年程度泡が消えないことが確認されています。

自己加圧効果による気体溶存性能の向上

泡の大きさが非常に小さいために、バブル中の気体が外に逃げてしまうのを防ぎ、気体をより効率的に液体中に溶存させておくことができます。

このとき、中に封入する気体を変化させることで、動植物の生育活性や食品の保存、殺菌効果などの目的に合わせたウルトラファインバブルが作製可能となります。

特性・効果3:マイナスに帯電

ウルトラファインバブルは負に帯電しているという特性を持ち、気泡同士が反発しあい結合しません。
この性質のおかげで、余計な添加物や薬品などを使用せずに様々な産業利用が可能となりました。

電荷の差を利用した洗浄効果

ウルトラファインバブルはマイナスに帯電しています。
一方で、有機的な汚れはプラスに帯電しています。
この差を利用して、ごく小さな汚れも浮き上がらせ、洗浄する作用があります。

酸化還元電位のコントロールによる酸化の抑制

ウルトラファインバブル水はマイナスに帯電しており、全体として酸化還元電位が低くなる性質があります。
このとき、泡の密度や大きさを調整することで、酸化還元電位をコントロールすることができます。

この還元力を利用して、食品の酸化防止、万病の元と言われる酸化ストレスへのアプローチも試みられています。

移植菌液へ期待する4つの効果

移植菌液には、ドナーからの便を処理する段階でウルトラファインバブル水を使用しています。
これにより、下記のような効果を期待し、結果的に他人由来の腸内細菌の定着を促すことを目的としています。

プラスに帯電した汚れに吸着(洗浄効果)

ウルトラファインバブル(UFB)には、洗浄作用があることがわかっています。
その理由は、有機的な汚れがプラスに帯電しているため、ウルトラファインバブルのマイナス電荷が引き寄せられ、吸着するからです。
比表面積が大きいことによる疎水性との相互作用も働きます。

また、泡の大きさが非常に小さいため、汚れの下側に入り込み、汚れを浮き上がらせる効果が期待できます。架橋効果、界面活性効果とも呼びます。

腸管内には多数の「レセプター」と呼ばれる小さな手のようなタンパク質と、「チャネル」と呼ばれる小さな穴があります。

私たちが日常生活を送っていると、知らず知らずのうちに「レセプター」や「チャネル」が汚れに埋もれてしまいます。
移植時にウルトラファインバブル水を同時に腸管内へ送ることで、この洗浄効果を発揮することを期待しています。

腸管内の汚れが取れることで期待できること

  • 腸内細菌の住み処の増加
  • 栄養吸収、腸内細菌の代謝産物吸収の改善
  • 腸内細菌の電気信号を感知し、全身へ届ける回路の通信を促進

菌を腸粘液層付近へ誘導(定着効果)

移植菌液には、1μm前後の細菌と、数nm〜数百nmのウルトラファインバブルが多数混在しています。
ウルトラファインバブル同士は反発し合うため、理論的には泡が菌の周りを緩やかに取り巻いているような格好になります。

移植菌液が腸管内に入ると、ウルトラファインバブルは腸粘膜付近の汚れに向かって引き寄せられます。

そのとき、腸内細菌たちも一緒に引き込まれる形で、腸粘液層付近まで届くことを期待しています。

※有機的な汚れは腸粘膜付近に存在しますが、その上に内粘液層、外粘液層があります。リーキーガットなどを起こしていない場合、細菌は外粘液層までしか入ることができないとされています。

腸内環境に近い酸化還元電位を実現

酸化還元電位(ORP, Oxidation Reduction Potential)は、物質を酸化させやすいか、還元させやすいかを示す指標で、mV(ミリボルト)という単位を使います。

酸化還元電位は、物質を酸化させやすいほど高い値を示し、還元させやすいほど低い値を示します。

健康なヒトの臓器は酸化還元電位が低く、-50mVから-200mVを保っています。
病気などで還元力が弱まると、活性酸素などを除去する機能も弱まり、様々な障害を生じます。

腸内の酸化還元電位を低く保つには、生体内水素や短鎖脂肪酸を産生する腸内細菌の存在が非常に重要です。

※酸化還元電位にはpH値も大きく関わりますが、ここでは解説を割愛します。

生理食塩水は血液に近い酸化還元電位を有しているため、+120mV程度です。
また、水道水は採水地域にもよりますが、除菌の過程で酸化還元電位が上がり、都市部で+500~+900mVレベルにあります。

参考URL:「旨い水と除菌効果」【sengi58(25.11.9)】

一方、ウルトラファインバブルはマイナスに帯電している性質を持ち、酸化還元電位も低い値を示します。
移植菌液を作る際にウルトラファインバブル水を使用することで、菌液の酸化還元電位を腸内環境に近づけることを目指しています。

菌液の品質維持期間を延長

マイナスに帯電した微細な泡同士が反発しあい、緩やかな壁を形成することで、移植までのあいだ菌同士の接触を防いでいると考えられます。

細菌の遺伝情報交換・増殖スピードは、早いもので15分程度です。
菌液の状態にしてから、菌同士が増殖してしまうことで意図せぬバランスに歪んでしまわないために、ウルトラファインバブルはここでも力を発揮してくれます。

菌の増殖を意図的に止めることで、凍結に準ずる程度の保存性能を発揮すると期待されます。

このとき、菌そのものも泡と同じマイナスの電荷を持っています。そのために泡は菌にへばりつくことがなく、太陽の周りを回る地球のように、ゆるやかな引力で浮遊することができます。
これにより、菌の持つ鞭毛や繊毛を損なうことなく、移植後にウルトラファインバブルが腸粘膜下に吸収されていくと同時にただちに遺伝情報の交換・増殖ができると考えています。

専用プラントにて開発

市販のウルトラファインバブル水の泡の大きさや封入気体は、微生物を効率的に腸粘液層に届けるという目的で製造されているわけではありません。

そのため、一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会では専用プラントを所有し、腸内フローラ移植に適したウルトラファインバブル水を開発・使用しています。

泡の数へのこだわり

泡の数は機械工学的理論上の最大ターゲット値を9億5,000万個/1mlとし、回転せん断方式を用いて製造しています。
現在の科学技術では、希釈して粒度分布を測るしかないのですが、ベックマン・コールター社での計測では、他社製ウルトラファインバブル水よりも倍以上の泡の計測結果となりました。

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置換する気体へのこだわり

バブルを小さな状態で安定させるため、製造過程で水素分子を置換しています。
これは、上述のウルトラファインバブルそのものの特性である「自己加圧効果による気体溶存性能」により、水素をより多く溶存させることが主目的ではありません。

下の画像のように、マイナスに帯電しているウルトラファインバブルの内側はプラスに帯電しています。(電子の膜構造)
そのさらに内側に、プラスに帯電した水素分子を置換することで、水素分子はウルトラファインバブルから逃げられず、結果的に泡を小さいまま安定させることを目的としています。

酸化還元電位へのこだわり

理想的な腸内環境に近い酸化還元電位を実現するため、当研究会のウルトラファインバブル水はターゲット電位を-150mVに設定しています。

水道水が+500~+900mV、ミネラルウォーターで+200mV程度です。

生理食塩水は血液に近い酸化還元電位を有しているため、+120mV程度です。
一方で健康なヒトの腸内は、-50mVから-200mVです。
生理食塩水は、生体と同じ程度の塩分濃度ではありますが、酸化還元電位の観点から見ると馴染みが良いとは言えません。

そこで、ウルトラファインバブル水と生理食塩水を併用することで、移植時の違和感を減らし、生体に馴染みやすくすることを目指しました。

安全性への取り組み

本研究所で製造するウルトラファインバブル水は、ミネラルの元となる炭の天日干しや、機器の洗浄メンテナンスを定期的に実施しています。

その際、ロットが変わるごとに一般生菌数検査、大腸菌群検査を実施し、市販のミネラルウォーターと同程度の基準をクリアしています。

竹炭を天日干しする様子