シンバイオシス研究所は腸内フローラ移植(便移植)の研究開発機関です。腸内フローラ移植臨床研究会の専属研究機関として、全国の医療機関と連携しています。
シンバイオシス研究所
06-6379-3328
上記の電話は腸内フローラ移植臨床研究会につながります
受付時間:10:00〜17:00(土日祝除く)

当研究所の腸内フローラ移植技術特徴

●特許出願技術による高い生着効果
●ドナーバンクに在籍するドナー便を使用
●患者様に負担の少ないカテーテルによる注腸式

独自に開発した当研究所の移植は、ドナーバンクから厳選した菌液や、特許出願中の技術を使用した移植後の高い生着効果を期待できることが特徴です。

また、ほとんどの提携医療機関にて、患者様に負担の少ないカテーテルによる注腸式を採用しています。(患者様の状態によっては、大腸内視鏡による移植がより適切であると主治医が判断する場合もあります)

以下に当研究所の移植菌液の特徴や提携医療機関での移植方法と、その他の治験などで検証されている方法の比較をしております。
いずれも、便から食物繊維などの不純物を極力取り除き、菌液の状態にする点では共通しています。

【特許出願】7つの移植技術

下記の表のあとに、それぞれの項目について解説を加えています。

当研究所海外・国内で検証中の方法
菌液精製方法ウルトラファインバブル水を用いた処理生理食塩水で便を溶解
ドナー便バンク(Japanbiome®)に在籍するドナー二親等以内の親族または便バンク
移植回数と頻度3回または6回をベースに、適宜追加原則として1回
治験によって異なる
便の保管凍結便凍結便または新鮮便
濃度1:10〜1:45程度1:5程度
投与方法カテーテル注腸大腸内視鏡が主流
事前処置特になし食事制限、抗生物質の服用、腸管洗浄など

※腸内フローラ移植技術に関する特許を申請中です

菌液精製方法

当研究所の移植菌液のもっとも特徴的な点は、便の処理にウルトラファインバブル水を使用しているところです。
ウルトラファインバブルは農業、漁業、医療など様々な産業分野で応用されています。

ウルトラファインバブルの特性を利用することで、本来ならIgA(免疫グロブリンA)等の自己免疫機能に阻まれてうまく住み着くことのできないとされていた他人由来の腸内細菌を効果的に移植することを期待しています。

詳しくは下記のリンクをご覧ください。

ドナー選択

現在、国内で治験中の腸内フローラ移植では、多くの場合二親等以内の親族から健康なドナーを見つけることが条件となっています。
その理由は、便から作製した菌液を移植することに対する心理的な抵抗感を少しでも和らげるためです。

一方で、アメリカやイギリスでは便バンクが設立され、健康な第三者の便を利用して腸内フローラ移植が行われています。

輸血や骨髄移植では、ドナーは血液型やHLA型などがレシピエント(患者)と一致する性質を持っていることが大切です。
しかし、腸内細菌は多様性が健やかさのカギであることから、私たちは遺伝子学的にも生活環境も違う第三者のドナーを使用するほうが効果が高いと考えています。

当研究所は、血液検査や便検査に加え、生活習慣や厳しい問診を定期的にパスし続けているドナーのみを登録している便バンク(Japanbiome®)と技術提携しています。

世界ではすべての疾患、または特定の疾患を持つすべての人に効果のある「スーパードナー探し」も試みられているものの、当研究所はあくまでも「ドナーのラインナップの多様性」を重視し、様々な背景を持ったドナーを登録することを推奨しています。

移植回数と頻度

アメリカで政府から公に腸内フローラ移植が認められているのは、CDI(クロストリジウム・ディフィシル感染症)のみです。CDIでは基本的に1回のみの移植で治験が行われています。

他にも潰瘍性大腸炎(例:40回)や自閉症(例:8週間・週1回)など疾患によってプロトコルが変えられ、治験が行われています。

当研究所では、回数と症状・疾患は関連がないのではなく、むしろ年齢と罹患年数がキーではないかと考えます。
具体的には17〜8歳、免疫の学校の胸腺の働きが終わると回数が増えるという実感があります。

これらの経験をもとに、まずは3回または6回をベースに、追加の移植が必要かどうかを主治医と患者さんに決めていただいています。

便の保管・処理環境

新鮮便と凍結便

国内における治験では、事前に検査を行ったドナー便を採取当日または翌日に使用するケースが多く見られます。
その方法は、たしかに菌の損傷は最小限に抑えられるものの、検査から採取当日までのリスクを否定できません。
また、より低コストに多くの方へ移植を届けるという観点からも現実的ではありません。

まだ確定した結論は出ていないものの、海外で行われた新鮮便と凍結便のFMT比較試験では、有意差はなかったという報告もあります。

これらの理由から、当研究所では便を凍結して使用しています。
なお、添加剤による人体や菌への影響が定かではないことから、浣腸液としても使われる凍結保護剤(グリセロール)の添加はしておりません。

嫌気環境と大気環境

また、ドナーから便の提供を受ける際には嫌気環境、菌液精製時のみ大気環境下にて処理を行っています。

嫌気性菌は空気に触れると死ぬという通説がありますが、それは大きな誤解です。彼らは芽胞や莢膜に覆われて、自分の身体を守る術を知っています。

あえて処理現場を嫌気環境にするならば、ドナーの腸内と同じ気体で満たさないと意味はないと考えています。

参考URL:腸に住んでいる菌たち(嫌気性菌)は空気に触れると死ぬのか

菌と溶媒の濃度比率

世界的に論文で出てくる菌液の濃度は、1:5程度が多いです。
濃ければ濃いほどいい、というような記述も見られます。

しかし私たちは、この濃度は濃すぎると考えています。

腸に住み着く菌たちの様子を、椅子取りゲームにたとえてみましょう。腸は避けがたく有機的な汚れが付いていますので、座れる椅子が5つしかないとします。そこに、ぜひ住み着いてほしい菌が10匹いるとします。
椅子が足りないと、強いもの順に座ることになり、濃度をむやみに濃くしてしまうとバランスの乱れになりえます。

基質の拮抗阻害を考慮に入れると、濃度は薄いほうがかえって良い可能性さえあります。当研究所の場合は1:10〜1:45くらいに調整しています。

さらに上述のウルトラファインバブル水で処理することにより、その界面活性作用を利用して物理的に「椅子」を増やす試みもしています。

投与方法

世界のプロトコルでは、経口カプセルや大腸内視鏡などが主流になりつつあります。
しかし、経口カプセルは粒が大きい上に、胃酸での損失を防ぐために胃酸抑制剤を使用します。また、大腸内視鏡では食事制限や下剤を免れません。どちらも肉体的、精神的な苦痛を伴う点で私たちは採用していません。
代わりに柔らかいゴムのカテーテルで移植を行います。

直腸への移植では菌が腸の奥まで行き渡らないのではないかと心配になるかもしれませんが、ご安心ください。

1,腸壁側に隣接する腸粘液層は、腸管腔で情報を吸収している外粘液層とは逆方向に流れている。
2,虫垂まで辿り着けば、どこに行くべきか道案内人がいる。
3,生物活性電位や架橋蛋白によって自分の住処を見つけられる。

上記のような腸や菌の性質に加え、移植時の体位変換によって十分菌は奥まで届くと考えています。

事前処置

投与方法と関連しますが、他の多くの治験や臨床応用では胃酸抑制剤や腸管洗浄剤の使用、移植前の食事制限などを伴います。

抗生物質を一定期間服用して、あえて腸内フローラの多様性を一旦損なわせてから移植をするという方法まで存在します。

どのプロトコルも未だ検証中の段階であり、良し悪しはわかっていません。
これらの背景から、私たちはできるだけ移植前・移植中・移植後の患者さん負担の少ない方法を選んでいます。